2022年度 国立高等専門学校 入学試験 理科 解答・解説(2022年2月13日実施)
問題
解答
大問1
問1:イ 問2:エ 問3:ウ 問4:エ 問5:イ 問6:ウ 問7:イ、問8:ア
大問2
問1 1:カ 2:イ、オ、キ 3:0.84(g) 問2:エ 問3塩酸A:ウ 塩酸B:カ
大問3
問1:1.5N 173g 問2 1:② 2 : 87.5(cm/s) 3:5.2(cm)
解説
大問1
問1 | 単位がNとなるのは、弾性力と重さ。重さは重力のこと。圧力は〔Pa〕(=N/m2),電力はW。 |
問2 | 電力=電圧×電流であるから、求める電流をIとおくと、電流は4.0A。 |
問3 | 混合物は物質が2つ以上混ざっているもの。化合物と間違えないように注意。 ア:CO2、H2O(気)はそれぞれ化合物 イ:NaOHは化合物、石油はメタンやエタンなどの有機化合物の混合物 ウ:塩酸は塩化水素と水、食塩水は食塩と水の混合物。塩酸という物質ではないことに注意。 エ:空気は窒素や酸素などの混合物。 氷水は面白い出題ですね。固体と液体という状態こそ違うものの、どちらもH2Oなので化合物。 オ:CuOは化合物、花崗岩は混合物。 ※純物質のうち、1種類の元素からなるものを単体、2種類以上の元素からなるものを混合物という。 |
問4 | 水の電気分解は 2H2O → 2H2 + O2 という反応。よって、○がH、●がOを表す。 |
問5 | 顕微鏡で観察する際は、 ①プレパラートをステージに乗せる。 ③真横から見ながら、プレパラートと対物レンズを近づける。 ②遠ざけながらピントを合わせる。 高倍率に変える場合は、この後対物レンズを変える。 |
問6 | 減数分裂により、卵細胞と精細胞ができ、対になっている親の遺伝子が別々に分かれることを分離の法則という。 |
問7 | 温暖前線が通過する際、寒気から暖気へとなり、風は北寄りから南寄りに変わる。 |
問8 | ア:太陽からの放射が空気を温めるのに時間がかかる訳ではなく、地面からの放射に時間がかかるため、一日の中で気温が高くなるのはおよそ午後2時ごろとなる。 |
大問2
問1 1 | 炭酸水素ナトリウムを加熱(熱分解)すると、水が発生する。 NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2 発生した水が試験管の底に流れてしまうと、加熱部分との温度差で試験管が割れる危険性がある。よって、液体が発生する可能性がある実験では、試験管の口を下げて行う。 なお、水槽の水が試験管内に逆流しないように、加熱を止める前にガラス管を水槽から出しておく必要がある。 |
問1 2 | 発生した気体は二酸化炭素である。二酸化炭素は空気よりも密度が大きく、石灰水を白く濁らせ、水溶液では酸性を示す。 |
問1 3 | NaHCO3 → Na2CO3 + H2O + CO2 0.84g 0.53g(0.31g軽くなった) 2.52g (混合物:0.62g軽くなった) 重曹0.84gで実験した際、0.84-0.53=0.31g軽くなった、すなわち水と二酸化炭素に変化したことがわかる。 2.52gで実験した際、0.62g軽くなったことから、0.84×2=1.68gの重曹が反応したことがわかる。 よって、未反応の重曹の値は、2.52-1.68=0.84g。 |
問2 | 重曹とクエン酸を水を加えて混ぜると、二酸化炭素が発生するとともに、吸熱反応が起こる。 |
問3 | 緑色のBTB溶液を重曹水に加えると、アルカリ性のため青色に変化する。その後、塩酸をそれぞれ加えたとき、一つの水溶液のみ色が変化したということは、片方は青色→黄色、もう片方は青色のままだとわかる。 よって、色が変わったのはより反応が進む、濃度の濃い塩酸Aである。 また、水素イオンの数は、完全に中和するまでは、水溶液中の炭酸水素イオンと結びつき水と二酸化炭素になるので変わらない。中和が完了すると、それ以上水素イオンは結びつかないので、水溶液中に増えていく。 NaHCO3 + HCl → NaCl + H2O + CO2 (※(注) 塩酸Aについて、青色→緑色にちょうど変化し、グラフが②になるという可能性もあるのではないか。BTBの緑色の変色域は非常に小さいため、実際の実験ではほぼあり得ないと思うがいかがだろうか。) |
大問3
問1 | 30°、60°、90°の直角三角形の辺の比は1:2:√3である。 物体Aの質量は300gなので、重力は3N。これを、斜面に平行な分力と垂直な分力に分けた時、三角形の相似比から重力を2として、平行な分力:垂直な分力=1:√3になる。 よって、斜面に平行な分力は元の重力の半分なので、3÷2=1.5N。 したがって、物体Bの斜面に平行な分力も1.5Nである。三角形の相似比から、元の重力を求めると、1.5:x=√3:2になるので、x=1.5×2÷√3=3√3÷3=√3=1.73N。 以上より、物体Bの質量は173g。 ※ちなみに、高校の三角関数を用いて解くと 物体A:mgsin30°=3×1/2=1.5N 物体B:mgsin60°= x ×√3/2 = 1.5 ∴x = √3N |
問2-1 | 1秒間に25打点する記録タイマーということは、5打点で0.2秒となる。一般的に50や60打点する記録タイマーではないことに注意。 斜面に平行な分力は物体Aが1.5N、物体Bが1.73Nなので、力が大きい方が、速くなる割合(加速度)も大きい。 なお、テープの長さ比が①と②で違うので注意。 |
問2-2 | RS間の距離は 2.1+3.5+4.9=10.5cm よって、求める速さは10.5×25/3=3.5×25=87.5cm/s |
問2-3 | 速さが増える割合が等しい(等加速度直線運動)から、3.6-2.8=0.8cmずつ、1打点ごとに進む距離は増える。 よって、4.4+0.8=5.2cm |
問2-4 | 記録タイマーの①と②が同時刻のものではないことに注意。 同じ時間だけそれぞれ斜面を滑った時の、距離の比は、すなわち速さが増える割合(加速度)の比を考えれば良い。 物体A:0.8、物体B:(3.5-2.1=)1.4なので、1.4÷0.8=1.75≒1.8倍 |