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2022年度 東京都公立高校入試 解答・解説 理科(2022年2月21日実施)

 東京都の都立高校の入試が,2022年2月21日に終わりました。電車の遅れの影響で、全学校で1時間遅らせての試験実施でした。受検生のみなさん長丁場お疲れさまでした。

 昨年、一昨年の理科の平均点が低かったせいか、今回は純粋な4択問題の形式に戻りました。また、知識を問われる問題も多く、全ての分野で幅広く勉強しておく必要があります。

 また、新学習指導要領で追加された「ダニエル電池」を題材にした問題が、神奈川県に引き続き、東京都でも出題されました。

問題

2022年度 高校入学試験問題・解答(理科) 一覧

解答

大問1 〔問1〕イ 〔問2〕ア 〔問3〕エ 〔問4〕ウ 〔問5〕エ

大問2 〔問1〕ア 〔問2〕イ 〔問3〕エ 〔問4〕ウ

大問3 〔問1〕ウ 〔問2〕イ 〔問3〕エ 〔問4〕ア

大問4 〔問1〕ウ 〔問2〕エ 〔問3〕ア 〔問4〕ウ

大問5 〔問1〕イ 〔問2〕ア 〔問3〕HCl + NaOH → NaCl + H2O 〔問4〕ウ

大問6 〔問1〕ア 〔問2〕イ 〔問3〕(略) 〔問4〕イ

解説

大問1

問1 木片(有機物の燃焼)と金属(無機物の燃焼)の比較です。木片は燃えると質量が減り、二酸化炭素となり、スチールウールは酸化され酸化鉄となり、質量が増える。
問2 動脈は心臓から出ていく血管なので、肺に向かう肺動脈は血管A、体全体に向かう大動脈は血管B。動脈血は酸素が多い血液で肺から戻ってくる肺静脈の血管B、大動脈の血管D。
問3 水中→空気中の場合、入射角<反射角。
 容器の中の水の量を増やすと、屈折する面が上昇するので、水を入れていない時に見えない物体も見えるようになる。
問4 前線の断面図を選ぶ基本問題。温暖前線は通過すると暖気に覆われるBの図で、密度が小さいのは暖気。温められた空気は体積が大きくなり、密度が小さくなる。
問5 抵抗A、B、Cに流れる電流をそれぞれP、Q、Rとすると、
 P=Q+R
となるため、一番大きい電流が流れるのはP。
 また、並列接続の場合、抵抗が少ない方に電流は流れやすくなるから、Q>R。
 よって、R<Q<P。

 なお、流れ込む電流の和と流れ出た電流の和が等しいことを、キルヒホッフの法則という。

大問2

問1 日食は太陽ー月ー地球の順に並んだときに起こる可能性があり、月を観察したとき、12時に真南の空に位置する。本来は昼で新月となるため見えないが、日食の時、月の輪郭が見える。
 約1週間後には右半分が満ちて、上弦の月となる。
問2 塩化ナトリウム水溶液を、蒸留して出てくるのは水である。
 そのため、フラスコ内の水溶液Aは元の濃度より高くなっている。
 結晶はNaClなので、化合物である。
問3 上下にある葉が互いに重ならないようにつくのは、光が当たる面積が大きくなることで、効率よく光合成をするためである。
 葉でできた養分(有機養分)が通る管は師管、根から吸い上げた水や水に溶けた無機養分を通す管は道管。
問4 月面では、物体Aも分銅も両方重力(重さ)の大きさは1/6になるので、分銅も物体Aと同じ300gのものを載せるとつり合う。はかりは重力の大きさをそのまま測るので、300×1/6=50gの値を示す。
 なお、測りで示す50gは力を表すため、昔の教科書には区別するために「50g重」と表記していた。

大問3

問1 岩石Pは鉱物が含まれており、斑状組織であることから、火山岩である。
 岩石Qは堆積物や化石が含まれていることから、堆積岩である。

 Y点の柱状図から、礫岩、砂岩、泥岩の順で堆積していることから、河口付近で堆積したことがわかり、礫岩は運搬作用により丸みを帯びている。
問2 フズリナは古生代の化石であるから、同じ地質年代に生息していた生物は三葉虫。アンモナイトは中生代の示準化石。
 また、古生代魚類や両生類が出現した地質年代で、鳥類は中生代以降出現したとされている。
問3 運搬された土砂は粒の大きなものから堆積する。そのため、泥岩が堆積した時代は河口から遠い場所で堆積したと考えられる。
問4 X点の標高は40.3m、Y点の標高は36.8m。
 凝灰岩の層の地表からの深さはX点では11m、Y点では9mなので、
 凝灰岩層の上部の標高はX点で40.3-11=29.3m、Y点で36.8-9=27.8m。
 よって、X点の方がY点に比べて29.3-27.8=1.5m高くなっている。

大問4

問1 結果1から、エンドウは離弁花植物(離弁花類)であることがわかる。よって、離弁花植物は双子葉植物(双子葉類)の仲間なので、子葉が2枚ある。
 胚珠が子房の中にある植物は被子植物である。
問2 花粉管を移動する生殖細胞は精細胞と卵細胞で、それらが合体して卵となる。
 生殖細胞1個の染色体数が7本なので、合体してできた受精卵は14本となる。
問3 草丈が高くなる遺伝子をT、低くなる遺伝子をtとすると、
 実験の(4)(5)から、Pは純系のTT、Qも純系のttであることがわかる。
 実験(8)から、Rの遺伝子は全てTtとなるため、Tが顕性、tが潜性である。

 問題文は少しわかりにくいが、R(Tt)とQ(tt)を交雑させたということであるため、この場合は、Tt:tt=1:1で発生する。すなわち、草丈の高い個体と低い個体が1:1で発生するということである。
問4 孫の代でしわ型の種子が得られているため、子の代ではaの遺伝子が含まれていることがわかる。
 しかし、子の代ではしわの種子が得られていないため、必ずAの遺伝子を含んでいる。
 よって、親の代では片方が必ずAの遺伝子を受け継ぐことのできる「AA」、もう片方がaを持つ丸型の種子である「Aa」である。

大問5

問1  ダニエル電池では、イオン化傾向の大きなZnがZn2+のイオンとなり、電子2個を出す。その電子がモーターを通るため電流が流れる。電子2個は銅板へ進み、引き寄せられたCu2+が電子を受け取り、Cuが析出する。
問2 問1から、Zn2+は増え、Cu2+が減ることがわかる。
 Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu

 また、図2は水酸化ナトリウム水溶液を用いた水の電気分解で、電極Rは水素、電極Sは酸素が発生する。

 この6択の形式では、電極Sで発生する気体が分からなくても選ぶことができますね。
問3 化学反応式は大文字小文字、数字の位置に気をつけて書きましょう。
 HCl + NaOH → NaCl + H2O
問4 実験2(5)では、水酸化ナトリウム水溶液を6cm3加えた時、水溶液が緑色になったため、完全に中和したことがわかる。この後に、水酸化ナトリウム水溶液を加えても中和反応は起こらず、ナトリウムイオンと水酸化物イオンが増え続けていく。この時点でグラフはアかウに絞られる。

 また、中和が起こるまでは、塩酸中のH+、Clが水溶液中になるとすると、イオンの数は2個。ここに水酸化ナトリウム水溶液中のNa+、OHを加えると、4個。しかし、H+、OH-は結びついてH2Oになるので、結果イオンはNa+、Clの2個となるため、数は変わらない。
 よって、グラフはウとなる。

 なお、今回できた塩である塩化ナトリウムは水に溶けるので、水溶液中ではNa+、Clのイオンとして存在するが、水酸化バリウムBa(OH)2のように水に溶けない塩の場合は、イオンの数は減るので注意。

大問6

問1 平均の速さは、(10.6+9.0+5.6)cm÷0.3s=25.2cm÷0.3s=84cm/s
 よって、mに直すと、0.84m/s
問2 ストロボ写真のように、一定時間ごとに物体が動いた距離は速さを示します。記録タイマーでも同じです。
 よって、レールAでは①から③に向かい、距離が大きくなっているということは速さが増しているということです。
 また、(斜面方向にかかる)重力は一定なので、速さも一定の割合で増加します(加速度は一定)。
問3 重力の分力を描く図です。矢印の始点や終点が雑にならないように丁寧に書きましょう。
問4 力学的エネルギーは保存されるため、
 (運動エネルギー)+(位置エネルギー)=一定

 よって、
 点bと点eについて、位置エネルギーは点eの方が大きく、運動エネルギーは点bの方が大きい。
 点cと点fについては、両方とも位置エネルギーは0(基準面)、運動エネルギーは最大。