2021年度 埼玉県公立高校入試 解答・解説 理科(2021年2月26日実施)
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 問題
2021年2月26日に埼玉県公立高校の入試が実施されました。埼玉県の入試では,思考力を問う問題だけでなく,知識も問われますので,基礎的な語句の確認をしっかりとやっておきましょう。また,5・問3では,身近な備長炭電池のアルミ箔に穴があく理由を記述する問題があり,正しく原理を論理的に説明する必要があります。いろいろな実験を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
・埼玉県ホームページ(問題 学力検査の採点の手引(正答と配点))
・東京新聞(理科:問題 解答)
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 概要
問 | 内容 |
1 | <小問集合> 問1:風化 問2:ソラマメの発根、細胞分裂 問3:アンモニアの捕集方法 問4:記録テープ、平均の速さ 問5:水の循環 問6:気孔 問7:化学反応式、鉄と硫黄の化合 問8:浮力 |
2 | <地震> 問1:プレート 問2:大陸プレートと海洋プレートの動き 問3:震度の段階 問4:地震波、震源からの距離 問5:緊急地震速報 (1)経過時間を求める (2)グラフ |
3 | <骨や筋肉のつくり> 問1:骨格、腱 問2:腕の筋肉の付き方、腱 問3:支点、力点、作用点 問4:相同器官 問5:相同器官 |
4 | <電池> 問1:金属板から発生する気体 問2:電池の条件 問3:備長炭電池、アルミ箔に穴があいた理由 問4:アルカリ性の原因となったイオンの名称 問5:燃料電池 |
問5 | <電熱線> 問1:回路図 問2:電力 問3:抵抗と電流,電力 問4:消費電力と熱量 問5,問6:電源タップの注意点 |
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解答
問 | 内容 |
1 | 問1:イ 問2:ウ 問3:エ 問4:ウ 問5:8 問6:気孔 問7:Fe + S → FeS 問8:浮力 |
2 | 問1:太平洋プレート 問2:ア 問3:10 問4:(解答例)地点Kの方が地点Lより,初期微動が始まってから主要動が始まるまでの時間が長いから。 問5(1):10(秒) (2):略 |
3 | 問1 P:(解答例)守る Q:腱 問2(解答例)関節をまたいで別々の骨に 問3:200(N) 問4 I:相同器官 II:進化 問5:ウ |
4 | 問1:水素 問2:エ 問3:(解答例)アルミニウム原子から放出された電子が,導線を通って備長炭に向かって流れたため,電子オルゴールが鳴った。また,アルミニウム原子が電子を放出して陽イオンとなり,食塩水の中に溶けたため,アルミニウム箔に穴があいた。 問4:水酸化物イオン 問5:ア |
5 | 問1:略 問2:1.2(W) 問3:イ 問4:50(℃) 問5(1):ア (2):(解答例)流れる電流が大きくなって,発生する熱量が大きくなる |
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解説 1
問1 | 地表に出ている岩石が,長い間に気温の変化や水のはたらきによってもろくなり,崩れていく現象を風化といいます。 |
問2 | 発根した根に,等間隔で印をつけると,先端に近い部分は細胞分裂が盛んに行われるために,印の間隔が大きくなる。なお,先端部分は根冠という硬い細胞で覆われている。 |
問3 | 水酸化カルシウムと塩化アンモニウムの化学反応式は, Ca(OH)2 + 2NH4Cl → CaCl2 + 2NH3 + 2H2O となり,水が発生することが分かる。 加熱実験で水が発生する場合は,試験管の口を下げる必要がある。 また,アンモニアは水に溶けやすく空気よりも軽いので,上方置換で捕集する。 |
問4 | 1秒間に50打点ということは,ある点から次の点までには,1/50秒かかるということで,Xは10打点分なので,1/5秒(=0.2秒)かかっているということになります。 Xは24.5cmなので,平均の速さは,24.5cm÷(1/5)s=24.5✕5=122.5cm/s となりウが正解。東京都の問題のようにこれを時速に直すとなると,少々面倒でしたね。 |
問5 | 陸地への降水は蒸発よりも「8」だけ多いので,その降水の分は,海へと流水したことが分かる。サービス問題。 |
問6 | 気孔の図ですね。「孔」とは穴という意味で,目のひとみ,いわゆる黒目のことを瞳孔といいますが,あれも実は穴なんですね。 |
問7 | Fe + S → FeSという硫化が起こりますが,発熱するので,途中でガスバーナーの加熱をやめても,反応は続いていきます。 |
問8 | 浮力を答える問題です。なお,液体中の物体は,その物体が押しのけている液体の重さと同じ大きさで上向きの浮力を受け,これをアルキメデスの原理といいます。 |
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解説 2
問1 | 日本は4つのプレートがひしめきあっているので,地震も多く発生します。プレートAはユーラシアプレート,プレートBは北アメリカプレート,プレートCは太平洋プレート,プレートDはフィリピン海プレートです。 |
問2 | 海洋プレートは大陸プレートの下に潜り込むように動いており,大陸プレートもそれに引きずられて沈降していきますが,完全にくっついているわけではないので,ひずみが限界になると,一気に隆起してそれが地震となります。このような地震を海溝型地震といいます。 |
問3 | 日本の震度は「0・1・2・3・4・5弱・5強・6弱・6強・7」の10段階に分かれています。 |
問4 | 初期微動継続時間は震源からの距離に比例します。 |
問5 | (1)P波が震源から25kmの地点に届くには,25km÷5km/s=5sかかります。よって,そこから更に5秒後に緊急地震速報が受信されたので,発生から5+5=10s後に受信されたと言えます。 (2)地震発生から10s後に緊急地震速報が受信されたので,そのときにS波は,3km/s✕10s=30km地点に進んでいたと計算できます。よって,30km地点を0秒として,3km/sで進むようなグラフを書けば良いですね。 |
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解説 3
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解説 4
2021年度 埼玉県公立高校入試 理科 解説 5