人魂が見えるのはなぜ?
夜にふわーっと見える火の玉のようなもの。お化け屋敷や怪談などでよく聞く話ですよね。言い伝えでは,死んだ人の人魂だと言われてきましたが,実際はどういう現象が起きているのでしょうか。
リンが原因は間違い!
昔,亡くなった人は,現在の火葬と違って,土に埋めて埋葬をする「土葬」をしていました。
そのため,その頃を知っているお年寄りが「大雨の次の日の蒸し暑い夜にはよく人魂を見た」という話をよくしていたようです。
これに対して,19世紀末にイギリスの民俗学者セイバイン・ベアリング=グールドは,死体が腐敗してできたリン化水素(ホスフィン:化学式PH3)が発生して,自然発火したのではないかと唱えた。
4PH3 + 8 O2 → P4O10 + 6H2O
しかし,人や動物の骨から出てくるのはリン酸で,リン酸は自然発火しないので,この説は有力でないとされていきました。
結局はわかっていない!
とはいえ,なぜ「人魂」が見えたのかという有力な説は,調べた限りありませんでした。
他にも沼地から出た引火性のガスが燃えた,プラズマ,などがあるが,厳密にはわかっていない。もしかしたら,それぞれが見ている「人魂」が,いろいろな原因で起こっているものを,我々が全て「人魂」と一括りにしてしまっているのかもしれませんね。
でも,真っ暗な山中を歩いていて,ウヨウヨと光るものを見たら,つい「人魂」と思ってしまうかもしれない。