大阪・関西万博 公式参加者アワード決定へ|国際審査団がパビリオンを最終視察
10月12日の「BIEデー」で受賞パビリオン発表へ
2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)では、各国・地域・国際機関のパビリオンを対象とした「公式参加者アワード(Official Participant Awards)」の最終選考が進められています。
建築・文化・都市計画・外交などの分野で著名な国際審査団が、10月に再び大阪・関西万博の会場を訪れ、各パビリオンを視察。受賞結果は10月12日の「BIEデー」に公式発表される予定です。
9名の国際審査団が4日間の最終評価
5月に実施された第1回視察に続き、今回は4日間にわたる最終訪問。審査団は建築やランドスケープデザイン、展示内容、テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」の表現方法など、多角的な観点から評価を行います。
審査後には最終審議が行われ、各部門の受賞者が決定します。
多様なパビリオンを称える5部門のアワード
公式参加者アワードは、165の国・地域・国際機関による多彩なパビリオンを対象に実施。
規模やタイプに応じて以下の部門で表彰が行われます。
- 建築・ランドスケープ賞(自前建設パビリオン)
- 外観デザイン賞(モジュール型パビリオン)
- 展示デザイン賞
- テーマ展開賞
- サステナビリティ賞
受賞パビリオンは、BIEデーの特別式典(10月12日)で正式に表彰されます。
万博の伝統を継ぐ「参加者表彰」
博覧会での表彰制度は、1851年ロンドンの「第1回万国博覧会」にまで遡る長い伝統を持ちます。
一時中断していた時期もありましたが、2005年の「愛知万博」から再び導入され、参加国の創造性や革新性をたたえる場として継続されています。
【回顧】愛知万博「自然の叡智賞」から20年——褒章制度の復活と継承
今回の「公式参加者アワード」は、2005年の愛知万博「自然の叡智賞」以来、約20年ぶりに本格的な褒賞制度を引き継ぐ形となります。
愛知万博では、1958年ブリュッセル万博以来中断していた褒章制度が約半世紀ぶりに復活。
博覧会国際事務局(BIE)第136回総会で承認された「褒賞に関する第14号特別規則」に基づき、公式参加69パビリオンを対象に「自然の叡智賞」が2回にわたって授与されました。
🏅 第1回(2005年5月発表)
- テーマ「自然の叡智」の具現化を重視
- 外観・内装・展示内容などを評価
- 金賞例:韓国館・トルコ館・フィリピン館・ベネズエラ館(アンデス共同館)
🏅 第2回(2005年9月発表)
- 「自然の叡智」の理念を世界に発信したメッセージ性を評価
- カテゴリーA (4モジュール以上)
金賞 ドイツ館
銀賞 フランス館
銅賞 アメリカ館 - カテゴリーB (1.5~3モジュール)
金賞 メキシコ館
銀賞 オーストラリア館
銅賞 マレーシア館 - カテゴリーC (1モジュール以下)
金賞 オランダ館
銀賞 南アフリカ館
銅賞 インドネシア館 - カテゴリーD (共同館)
金賞 アンデス共和国
銀賞 マダガスカル共和国 (アフリカ共同館)
銅賞 ケニア共和国 (アフリカ共同館)
この褒賞制度は「自然保護・生物多様性・文化多様性・国際交流」などを重視し、万博の理念と地球的課題を結びつける先駆的な試みとして高く評価されました。
世界最大の木造建築「リング」に集う165の国と地域
大阪・関西万博の会場は、世界最大級の木造建築「グランドリング(Grand Ring)」を中心とした155ヘクタールの敷地に広がります。
パビリオンは、サブテーマである
- いのちを救う(Saving Lives)
- いのちに力を与える(Empowering Lives)
- いのちをつなぐ(Connecting Lives)
の3つのゾーンに配置され、各国が未来社会へのビジョンを発信しています。
まとめ:注目は10月12日のBIEデー発表
大阪・関西万博も終盤を迎え、各国の努力と創意が結晶する「公式参加者アワード」。
果たしてどのパビリオンが栄誉に輝くのか――注目の発表は、10月12日のBIEデーです。
▼関連リンク
👉 Expo 2025 Osaka, Kansai, Japan 公式サイト
👉 BIE(博覧会国際事務局)公式サイト(英語)