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世界農業遺産(GIAHS)とは?

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世界農業遺産(GIAHS)とは?

 世界農業遺産(Globally Important Agricultural Heritage Systems, GIAHS)とは、社会や環境の変化に適応しながら、何世代にもわたって受け継がれてきた伝統的な農林水産業のシステムを指します。
 地域独自の農業・文化・景観・生物多様性が一体となっていることが特徴で、国際連合食糧農業機関(FAO)が認定します。

認定の目的

  • 農林水産業の伝統的な知識や慣習の継承
  • 地域文化と生物多様性の保全
  • 持続可能な地域社会の実現
  • SDGs(持続可能な開発目標)への貢献index-208

🌍 世界農業遺産の5つの認定基準

FAOでは、申請地域を以下の5つの視点で評価しますindex-208。

  1. 食料および生計の保障
     地域住民の生活を支える持続可能な農林水産業であること。
  2. 農業生物多様性
     多様な生物種や遺伝資源を保有していること。
  3. 伝統的な知識システム
     地域固有の知恵・技術・自然資源の管理システムを維持していること。
  4. 文化・価値観・社会組織
     文化的アイデンティティを形成し、伝統的な慣習を有していること。
  5. ランドスケープ/シースケープの特徴
     人と自然の長年の関わりによって形作られた景観を有していること。

🗾 日本の世界農業遺産(15地域)

日本では、2025年(令和7年)3月時点で15地域が認定されていますindex-208。

No地域名名称認定年
1新潟県 佐渡市トキと共生する佐渡の里山2011
2石川県 能登地域能登の里山里海2011
3静岡県 掛川周辺静岡の茶草場農法2013
4熊本県 阿蘇地域阿蘇の草原の維持と持続的農業2013
5大分県 国東半島・宇佐地域クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環2013
6岐阜県 長良川上中流域清流長良川の鮎-里川における人と鮎のつながり-2015
7和歌山県 みなべ・田辺地域みなべ・田辺の梅システム2015
8宮崎県 高千穂郷・椎葉山地域山間地農林業複合システム2015
9宮城県 大崎地域「大崎耕土」の伝統的水管理システム2017
10静岡県静岡水わさびの伝統栽培2018
11徳島県 にし阿波地域傾斜地農耕システム2018
12山梨県 峡東地域扇状地に適応した果樹農業システム2022
13滋賀県 琵琶湖地域森・里・湖(うみ)に育まれる琵琶湖システム2022
14兵庫県 美方地域但馬牛飼育システム2023
15埼玉県 武蔵野地域落ち葉堆肥農法2023

🌐 世界のGIAHS一覧(抜粋)

2025年3月時点で、世界28か国・89地域が認定されていますindex-208。
地域別の内訳は以下の通りです。

地域区分国数認定地域数主な認定例
アジア952中国・韓国・日本・インド・インドネシアなど
欧州511イタリア、スペイン、オーストリアなど
中南米57チリ、ペルー、ブラジル、メキシコなど
アフリカ712ケニア、モロッコ、タンザニアなど
中東27イラン、アラブ首長国連邦など


🔗 https://www.fao.org/japan/highlights/giahs/jp


🌱 農業遺産の魅力と未来

  • 地域ごとの風土に根ざした「生きている遺産」
  • 気候変動や人口減少の中で、持続可能な地域づくりのモデル
  • 教育・観光・6次産業化を通じて、次世代へと継承

日本の農業遺産地域では、子どもたちの環境教育や地域文化体験など、次世代への継承活動が活発に行われています。


🏛️ 参考リンク

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