GREEN×EXPO 2027と「グリーンインフラ推進戦略2030」― 横浜から始まる未来都市モデル
GREEN×EXPO 2027と「グリーンインフラ推進戦略2030」― 横浜から始まる未来都市モデル
2027年3月、横浜で開催される国際園芸博覧会 GREEN×EXPO 2027 は、単なる花と緑の展示イベントではありません。日本が世界に向けて提示する「自然と共生する都市・社会モデル」の実験場であり、政策・産業・市民参加が交差する場でもあります。
その中核概念の一つが 「グリーンインフラ」 です。
、国土交通省が打ち出した「グリーンインフラ推進戦略2030」では、GREEN×EXPO 2027 が国民的な機運醸成の重要な舞台として明確に位置づけられています。万博は“未来の都市基盤”を体験的に理解できるショーケースとして機能するのです。

グリーンインフラとは何か
グリーンインフラとは、自然の多様な機能を活用して都市や地域の課題を解決する社会基盤の考え方です。単なる緑化や景観整備ではなく、
- 防災・減災
- 暑熱対策
- 生物多様性の確保
- 地域経済の活性化
- 温室効果ガス削減
- 循環型社会形成
といった複数の社会課題に同時にアプローチできる点が特徴です。
戦略文書では、グリーンインフラは「ウェルビーイングの向上」に寄与する基盤と明確に定義されています。つまり、人の健康、地域のにぎわい、経済的価値の創出までを包含する概念です。
なぜ今、グリーンインフラなのか
背景には、気候変動、生物多様性の損失、都市のヒートアイランド現象、人口減少社会といった複合的課題があります。
従来のコンクリート中心のインフラ整備だけでは解決できない領域に対し、「自然の力」を再評価し、都市と自然を対立構造ではなく共創関係として捉える転換が進んでいます。
国の戦略では、2030年を目標年とし、「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」の実現を掲げています。その実践モデルとして象徴的な場が、GREEN×EXPO 2027 なのです。
GREEN×EXPO 2027が担う役割
GREEN×EXPO 2027 は、政策文書上も以下のような位置づけがなされています。
1. 国民的理解の醸成
戦略2030では、万博を通じてグリーンインフラの概念を一般社会へ浸透させることが明記されています。専門家だけでなく、市民・企業・学生までを巻き込む「体験型政策発信」の場です。
2. KPI(数値目標)の象徴拠点
有料来場者数1,000万人という目標が掲げられており、単なる集客指標ではなく、社会的認知度の測定指標として扱われています。
3. 官民連携プラットフォームの拡張
官庁・自治体・企業・市民団体が協働する「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」の活動拡大と連動し、万博会場は実証・展示・交流の結節点となります。
会場で体験できる「未来の都市基盤」
参考資料では、グリーンインフラの活用イメージとして次のような要素が示されています。
- 雨庭(雨水の一時貯留・浸透)
- 屋上・壁面緑化
- 街路樹更新によるCO₂吸収
- 都市農地の保全
- 流域治水との連携
- ブルーインフラ(藻場・干潟)
これらは、単独の設備ではなく「都市システム」として連結されることで真価を発揮します。万博は、それらを可視化・体験化する舞台になります。
GREEN×EXPO 2027が残すレガシー
GREEN×EXPO 2027 は、閉幕後も次のようなレガシーを残すことが期待されています。
- 都市計画・公共事業へのグリーンインフラ常態化
- 市民参加型の維持管理文化
- 企業投資と環境価値の統合
- 国際展開モデルの形成
「花と緑の万博」は、見た目の美しさではなく、社会基盤の再設計という深いメッセージを持っています。
まとめ
GREEN×EXPO 2027 は、日本の環境政策・都市政策・産業政策が交差する「未来都市のショーケース」です。グリーンインフラ推進戦略2030の実装舞台として、来場者は“未来の都市の当たり前”を先取り体験することになります。
横浜で提示される風景は、単なる万博会場ではなく、2030年、そして2050年の都市のプロトタイプなのです。
