三菱未来館、建設資材を2027年国際園芸博覧会で再活用
-建物のいのちをつなぎ、建設の持続可能性を示す-
2025年4月13日から半年間にわたって開催された大阪・関西万博が、とうとう閉幕を迎えました。連日多くの来場者でにぎわい、三菱未来館にも120万人を超える人々が訪れました。閉幕を控えた9月末、三菱未来館の建設資材が2027年の国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027/横浜花博)で再活用されることが発表されました。

仮設建築を“使い捨て”にしないデザイン思想
三菱未来館の設計を担当した三菱地所設計は、当初から解体を前提にしたトータルデザインを構想していました。
「パビリオンは半年後には解体する仮設建造物。だからこそ過度に作り込みすぎず、解体までを見据えたデザインにしました」
(株式会社三菱地所設計)
この方針に基づき、天井部の梁などに使用された木材は閉幕後に選別・木粉化され、樹脂と混合。3Dプリント技術によって新たな建設資材として再生され、GREEN×EXPO 2027の三菱グループ展示施設の外装材として活用されます。現地でのデータ転送→出力→組み立てといった新しい資材活用モデルの研究も進行中です。
サンカクパークに再生資材のオブジェ登場
今回の発表に合わせ、未来館の「サンカクパーク」エリアには、再生資材を活用したアーチ形のオブジェが期間限定で設置されました。
このアーチは資材のサンプルであると同時に、
“アーチをくぐって横浜へ”
というメッセージが込められています(設計担当・松井章一郎さん)。
また、未来館の外観を特徴づけていた鋼製足場板やポリカーボネート折板もリサイクル対象。万博パビリオンが、廃棄されず次の舞台でよみがえる象徴的な取り組みです。
万博とともに歩む三菱グループ
三菱グループは1970年の大阪万博以来、国内で開催される万博ごとにパビリオンを出展してきました。次の舞台は2027年春、横浜。
1870年の創業以来、持続可能な社会の実現を目指し続けてきた企業として、“建物のいのちをつなぐ”持続可能な万博のかたちを発信します。
「三菱未来館は姿を変え、横浜で新たな展示施設としてよみがえります」
(荒井 拓州さん/三菱地所設計)
GREEN×EXPO 2027へ ― 大阪から横浜へ
大阪・関西万博会場にもGREEN×EXPO 2027の公式キャラクターが登場し、多くの来場者に次の万博への期待を伝えました。
三菱未来館の資材は、今度は横浜の地で“サステナブルな物語”を紡ぎます。