リヤド万博2030

リヤド万博2030とは|会期・会場・参加国の最新情報<2026.10.26更新>

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大阪・関西万博が閉幕したあと、世界がつぎに集まる登録博はサウジアラビアの首都リヤドです。会期は2030年10月1日から2031年3月31日までの181日間、テーマは「Foresight for Tomorrow(あすを見通す力)」。

会場の広さは大阪・関西万博のおよそ4倍。日本は公式参加を決めていて、日本館は2027年度に基本計画がまとまる予定です。2026年11月には成田からの直行便も開設される予定ですが、10月にはリヤドの空港が攻撃を受け、外務省が渡航中止勧告を出しています。

Expo 2030 Riyadh(リヤド万博2030)のバナー
2030年10月1日に開幕するリヤド万博(Expo 2030 Riyadh)

SECTION 01リヤド万博2030の基本情報

リヤド万博(Expo 2030 Riyadh)は、2023年11月28日のBIE(博覧会国際事務局)総会で開催地が決まった万博です。韓国・釜山、イタリア・ローマとの争いになり、1回目の投票でリヤドが119票を集めて選ばれました。

ジェトロのレポートによると、サウジアラビア政府が提示した総予算は約78億ドルで、会場を100%クリーンエネルギーで運営することなどを公約に掲げていました。あわせて、パビリオン建設や技術支援、旅費などの名目で100カ国以上の途上国に総額3億4,300万ドルの支援パッケージを明記しています。

数字で見るリヤド万博

項目内容
会期2030年10月1日 ~ 2031年3月31日(181日間)
開催地サウジアラビア・リヤド市北部
テーマForesight for Tomorrow(あすを見通す力)
種類国際博覧会条約に基づく登録博覧会
会場面積約600万㎡(うち入場ゲートの内側が約200万㎡、物流・サービスエリアが約400万㎡)
パビリオン226棟(公式FAQ・2026年5月)
来場想定のべ4,200万人以上。1日平均で約23万人、国内7割・海外3割を想定
参加国・機関197か国と29の国際機関を招待(計226。公式ファクトシート・2026年5月)。2026年6月時点で135か国が参加を確認
ボランティア5万2,000人を育成

「次の万博」はどれ?

「大阪・関西万博の次の万博」という言い方は、実は2通りの意味で使われます。5年に1度の大規模な登録博としての次がリヤド万博で、そのあいだにはBIEが認定する認定博が複数はさまります。2027年のベオグラード国際専門博(登録博ではなく専門博)や、横浜で開かれるGREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)がそれにあたります。

  • 登録博2025年4月13日〜10月13日大阪・関西万博(日本・大阪)
  • 園芸博(A1)2027年3月19日〜9月26日GREEN×EXPO 2027(日本・横浜)
  • 認定博2027年5月15日〜8月15日ベオグラード国際専門博(セルビア・ベオグラード)
  • 登録博2030年10月1日〜2031年3月31日リヤド万博(サウジアラビア・リヤド)
関連記事万博と園芸博はどう違う?登録博・認定博・園芸博(A1)の区分をまとめています

SECTION 02テーマ「あすを見通す力」とサブテーマ

メインテーマは「Foresight for Tomorrow」。経済産業省の発表や報道では「あすを見通す力」と訳されています。

サブテーマは5つです。2026年5月付の公式ファクトシートでは、技術・地球環境・人間・文化・国際協働の5つの軸に、それぞれの名前と問いが添えられています。公式サイトで会場のテーマ地区として案内されている「変革的技術・持続可能な解決策・豊かな人々」は、このうち最初の3つにあたります。

技術Transformational Technology変革的技術

大きな影響をもつ技術の未来と、その力をどう分かち合い導くか

地球環境Sustainable Solutions持続可能な解決策

地球の限界の中で生命を守り、豊かに暮らすには

人間Prosperous People豊かな人々

互いと地球、次の世代に責任をもって、実りある人生を形づくる未来

文化World Wisdom世界の知恵

文化や伝統、共有の知恵が未来の描き方をどう導くか

国際協働Collaborative Communities協働するコミュニティ

協力して地球規模の難題に取り組む未来

テーマは来場者の体験の中心に置かれ、毎日の催しや対話を通じて各国の協力を促す場にする、と説明されています(公式ファクトシート・メディア向け資料、2026年5月)。

木のような形の建物を人々が見上げる、会場の完成イメージ
木のような形のシンボルを見上げる人々(完成イメージ)|画像:Expo 2030 Riyadh

SECTION 03会場はリヤド北部、広さは大阪の約4倍

会場はリヤド市の北部にあり、将来整備が予定されるキング・サルマン国際空港に近いエリアです。周辺にはプリンセス・ヌーラ・ビント・アブドゥルラフマン大学や、公共投資基金(PIF)傘下の不動産開発会社ロシン(ROSHN)が手がける複合開発「ロシン・フロント」が集まっていて、万博会場は北部の都市拡張とセットで計画されています。

夜の会場全体を上空から見た完成イメージ
夜の会場全体を上空から見た完成イメージ|画像:Expo 2030 Riyadh

面積は約600万㎡。ジェトロによると大阪・関西万博の約155万㎡のおよそ4倍にあたります。敷地内には約225棟のパビリオンが建ち、自前パビリオン用の区画が最大81、貸し出しパビリオンが44棟、パートナー参加枠が約100という内訳が示されています。植樹は6万1,000本以上、目印になる大型建築(シグネチャー・ビルディング)は6棟の計画です。

日陰をつくる建物のあいだを人々が歩く、会場の通りの完成イメージ
日陰をつくる建物のあいだの通り(完成イメージ)|画像:Expo 2030 Riyadh

アクセス面では、会場に専用のメトロ駅が設けられ、キング・ハーリド国際空港や市内の主要地点から直接入れるようにする計画がERCから示されています。公式ファクトシートによると、会場は空港から車で約10分、メトロで空港から1駅。6路線85駅のリヤド・メトロに直結します。周辺にはキング・アブドラ石油調査研究センター(KAPSARC)やキング・サルマン・スタジアムもあります。キング・サルマン通りの拡幅も進んでいます。

会場の核になるのは、テーマ館、サウジアラビア館、エキスポ・コンベンションセンター、エキスポ・ステージ、そしてリヤドの新しいランドマークになる「Expo 2030 Riyadh Icon」です。パビリオンは「1か国1館(One Nation, One Pavilion)」の方針で、自前で建てる館、主催者が建てて貸し出す館、主催者が建設と運営費を支えるパートナー参加の館の3通りがあります。主な館は「Loop of Nations」と呼ばれる道でつながります。会場はキャッシュレスで、自動運転のポッドやシャトル、電動キックボードや自転車で移動できるスマートな会場になる計画です。

夕暮れの会場と木のような形の建物の完成イメージ
夕暮れの会場(完成イメージ)|画像:Expo 2030 Riyadh

暑さと向き合う会場デザイン

公式サイトが会場デザインとして挙げているのは次の3点です。砂漠気候の街で半年間の万博を開くための工夫が、そのまま設計の軸になっています。

地形に沿わせる

ワディ・アル・スライ(涸れ川)の地形から着想し、既存の等高線に沿って会場を計画。人の動きと雨水の流れをまとめて扱います。

フラクタル幾何学

自然界の反復パターンを応用した配置で、歩いて回りやすく距離の短い動線をつくります。

クール・ルート

日陰の動線、水を使った仕掛け、水の消費が少ない植栽で、屋外でも過ごしやすい場所をつくります。

設計・施工を担う顔ぶれ

コンセプトのマスタープランは、ドイツとオーストラリアを拠点とする建築デザイン事務所LAVAが担当しました。その後の詳細なマスタープランは英国のビューローハッポルドがリードデザインコンサルタントとしてまとめ、会場インフラ全体の進捗管理と建設統括は米国のベクテルがPMC(プロジェクト・マネジメント・コンサルタント)として担っています。米国のジェイコブスも初期段階から関わっています。

プロジェクト全体を統括するのは、PIFが設立したリヤド万博公社(Expo 2030 Riyadh Company=ERC)です。会場の建設・運営から閉幕後の跡地開発までを一体で管理する組織で、基幹インフラの工事はネスマ&パートナーズやアル・ヤママなど地元の大手が受注しています。

ACCESS場所はどこ?日本からの行き方

リヤドは、アラビア半島の中央部にあるサウジアラビアの首都です。日本との時差はマイナス6時間(日本が正午のとき、リヤドは午前6時)。公式資料は、リヤドを世界の人口の6割が(飛行機で)8時間以内の範囲に住む首都と紹介しています。万博会場は市の北部、キング・ハーリド国際空港のすぐそばです。

東京からリヤドへの直行便と、ドバイ・ドーハ・アブダビ・香港経由の乗り継ぎルートを示した地図
東京からリヤドへのルート(直行便と主な乗り継ぎ)|作図:Future Earth

サウジアラビアの基本情報

項目内容
首都リヤド
面積約215万㎢(日本の約5.7倍)
人口約3,530万人(2024年、サウジアラビア統計局の推計)
言語アラビア語(公用語)。英語も広く使われています
時差日本より6時間遅れ(サマータイムなし)
通貨サウジアラビア・リヤル(SAR)。1ドル=3.75リヤルの固定レート。キャッシュレス決済が広く普及
ビザ観光eビザ(オンライン申請)。1年間有効の数次ビザで、1回の滞在は最大90日。申請料に医療保険が含まれます
気候夏は40℃を超える暑さ。過ごしやすいのは10月末〜4月ごろで、万博の会期(10月〜3月)はこの時期に重なります

出典:外務省「サウジアラビア基礎データ」、日本・サウジアラビア外交関係樹立70周年記念文化イベント(2025年12月・日比谷)の展示パネルほか。ビザの条件や料金は変わることがあるため、申請前にサウジアラビア政府の公式サイトで確認してください。

サウジアラビアの地図と主な見どころを紹介するパネル
サウジアラビアの見どころを紹介した地図のパネル(2025年12月6日・日比谷)

日本からの行き方

行き方内容
直行便サウディアが成田〜リヤド線を2026年11月17日に開設予定。日本とサウジアラビアを結ぶ初めての直行便で、火・木・土曜の週3往復、ボーイング787-9。成田21:30発→翌朝5:25リヤド着(約14時間)、リヤド1:00発→成田17:25着(約10時間半)
乗り継ぎ便中東の航空会社の乗り継ぎ便(ドバイ、ドーハ、アブダビ経由など)でも行けます
空港から会場車で約10分。リヤド・メトロで空港から1駅(会場駅は建設中)
ビザ観光は、サウジアラビア政府の公式サイトから申請する観光eビザが基本です。条件は申請前に公式サイトで確認してください

サウディアの成田線は、2026年10月26日時点で、開設の延期などの発表は確認できていません。ただし、下のとおりリヤドの空港への攻撃が起きているため、運航の最新情報は航空会社で確認してください。

東京〜リヤドの便 いまの運航状況

10月のリヤドの空港への攻撃を受けて、乗り継ぎ便の多くがリヤド線を止めています。2026年10月26日時点の状況です。

航空会社所要時間(行き)と状況
サウディア直行(成田)所要 約14時間2026年11月17日開設予定(火・木・土の週3往復)。延期などの発表は確認できていません
エミレーツ航空ドバイ経由所要 約16時間ドバイ〜リヤド線は運休中。11月8日に再開予定
カタール航空ドーハ経由所要 約19時間ドーハ〜リヤド線は10月25日まで運休。その後の運航は航空会社で確認を
エティハド航空アブダビ経由アブダビ〜リヤド線は11月5日まで欠航
キャセイパシフィック航空香港経由所要 約16時間香港〜リヤド線は2027年1月31日まで運休

所要時間は行きの便の乗り継ぎ時間を含む目安(直行便は就航発表の時刻、乗り継ぎ便は2025年11月時点の時刻表)。運航状況は報道(The National、2026年10月25日)などによるもので、日々変わっています。最新の情報は各航空会社の公式サイトで確認してください。

いまの渡航情報(外務省)

リヤド州は「レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告)」

外務省は2026年10月22日、イエメンのホーシー派による攻撃が続き、激しくなっていることを受けて、リヤド州を含むサウジアラビアの8つの州の危険レベルを「レベル3」に引き上げました。10月10日にはリヤドのキング・ハーリド国際空港が攻撃され、外国人を含む12人が死亡、300人以上がけがをしたとされています。翌11日にも同じ空港が攻撃されました。

空港は10月25日から一部で運用を再開しましたが、在サウジアラビア日本国大使館は、当面のあいだ空港の利用や空港に近づくことを厳に避けるよう呼びかけています。

開幕は2030年10月なので、それまでに状況は変わる可能性があります。渡航を考えるときは、必ず外務省 海外安全ホームページ(サウジアラビア)で最新の情報を確認してください。

SECTION 04準備はどこまで進んだか

  • 2023.11.28BIE第173回総会でリヤドが開催地に決定(119票)
  • 2025.6.17BIE第176回総会が登録申請書類を承認し、リヤド万博が正式に登録博として登録。外交ルートでの参加招請が可能に
  • 2025.12.16日本政府が公式参加を閣議了解
  • 2026.6.16BIE第178回総会でSEE協定(参加国の権利や待遇を定める法的枠組み)の条文を承認。この時点で135カ国が参加を確認
  • 2026.8.25ムハンマド・ビン・サルマン皇太子のフランス訪問にあわせ、パリでサウジアラビアとBIEがSEE協定に署名
  • 2026.9バーレーン(9月3日)、オマーン(9月6日)が参加契約に署名
  • 2026.10.14経済産業省とジェトロが大阪で「2030年リヤド万博が拓く中東・サウジアラビア市場のビジネスチャンス」セミナーを開催
  • 2026.11.3-4リヤドで第1回国際参加者会議(IPM)を開催予定

工事の進み具合も数字で公表されています。ジェトロが2026年6月下旬時点でまとめたところでは、土工700万立方メートル、整地290万平方メートルが完了し、現場では600台以上の重機が動いています。2026年8月の報道では、掘削と埋め戻しが約800万立方メートル、全長7.5キロの基幹ユーティリティー回廊のうち2キロが完成し、無災害の作業時間が210万時間に達したと伝えられました。工事にあわせて樹木719本の移植も行われています。

いまは「参加国を集める」段階から「各国が自分のパビリオンを設計する」段階へ

SEE協定の署名で、参加国は設計・建設・運営を進めるための正式な枠組みを手にしました。2026年秋からは各国が順番に参加契約を結び、11月のIPMで実務的な打ち合わせが始まります。大阪・関西万博のときと同じ流れが、5年前倒しでリヤドでも動き出しているところです。

SECTION 05参加国と、参加契約を結んだ国

万博の参加国は、ひとつの発表でまとめて決まるわけではありません。国が参加の意思を示し、主催者がそれを参加確認として数え、最後に参加契約(Participation Contract)を結んでパビリオンの位置や規模が固まる、という順に進みます。リヤド万博はちょうど、2番目から3番目へ移りはじめたところです。

参加国の数はどこまで増えたか

時点発表元と内容
2026年6月16日BIE第178回総会で、アーデル・アル・ジュベイル総代表(サウジアラビア外務担当国務大臣)が135カ国が参加を確認と報告
2026年6月下旬ジェトロのレポートは「100カ国以上が登録を完了し、複数の国・機関と参加条件を交渉中」と記載
想定公式サイトは参加国・地域を197、アラビア語報道では国際機関29と伝えられています
135カ国の内訳について

どの国が参加を確認したのかという一覧は公表されていません。下の表は、主催者や各国政府が参加を発表した国です。

参加契約を結んだ国の一覧

2026年8月25日にサウジアラビアとBIEがSEE協定に署名し、各国が参加契約を結べる状態になりました。2026年10月26日の時点で発表されているのは、次の3か国です。

署名日国発表されている内容
2026年8月25日フランスパリで署名。リヤド万博公社(ERC)のタラル・アル・マリCEOと、フランス博覧会会社(COFREX)のジャック・メール会長が署名し、ファイサル・ビン・ファルハーン外相とBIEのディミトリ・ケルケンツェス事務局長が同席。契約でパビリオンの位置・規模・テーマまで決まっています
2026年9月3日バーレーンマナマで署名。バーレーン文化財・古物局のハリーファ・ビン・アハマド・アール・ハリーファ総裁とアル・マリCEOが署名
2026年9月6日オマーンリヤドの万博会場で署名。文化・スポーツ・青少年省のサイード・スルタン・アル・ブサイディ次官がオマーン館の政府代表として署名し、署名後にオマーン館の予定地を視察

1番目に署名したフランスは、パビリオンの中身まで先に公表しています。場所は「Planet(地球環境)」地区で、テーマは「Under One Sky」。空・大地・火・水の4つの要素で構成し、環境保全やエコロジカル・トランジションに関わる技術を見せる内容だと説明されています。地区名がサブテーマの名前と一致している点は、SECTION 02で触れた5つの軸とつながる部分です。

参加契約はここから各国で順に結ばれていき、2026年11月3・4日の第1回国際参加者会議(IPM)が次の節目になります。大阪・関西万博でも、参加契約の締結と参加者会議を重ねながら出展の中身が固まっていきました。

SECTION 06日本の参加と、大阪からの引き継ぎ

日本政府は2025年12月16日の閣議でリヤド万博への公式参加を了解しました。幹事省は経済産業省、副幹事省は農林水産省と国土交通省、参加機関は日本貿易振興機構(JETRO)という体制です。

経済産業省は参加の意義として、国際社会における日本理解を深める機会であること、大阪・関西万博の成果を継承する責務を果たすことを挙げています。ジェトロも、日サウジ・ビジョン2030の枠組みのもとで、日本企業が強みを持つスマートインフラ技術や都市設計の知見がリヤドのまちづくりに生かされることへの期待を示しています。

大阪・関西万博の会期中には、閉会式の前にリヤドへのバトンを渡すステージが行われ、BIE旗の引き渡しも大阪の会場で実施されました。日本館のコンセプトや出展企業など、具体的な中身はまだ発表されていません。

大阪・関西万博のサウジアラビア館
大阪・関西万博のサウジアラビア館
「From Osaka to Riyadh」のビジュアル
大阪からリヤドへ。大阪・関西万博で発信された「From Osaka to Riyadh」

2025年12月6日には、東京・日比谷で日本・サウジアラビア外交関係樹立70周年記念文化イベントが開かれました。両国の歩みをたどるパネルの最後は「Expo 2030 リヤドに向けた友情の象徴的な引継ぎ」。リヤドの見どころを紹介するパネルも並び、大阪から次の万博へのつながりが示されていました。

「Expo 2030 リヤドに向けた友情の象徴的な引継ぎ」と題したパネル
「Expo 2030 リヤドに向けた友情の象徴的な引継ぎ」のパネル(2025年12月6日・日比谷)
リヤドの見どころを紹介するパネル
リヤドを紹介するパネル(2025年12月6日・日比谷)

日本館ができるまでのスケジュール

2026年10月14日、経済産業省とジェトロはグランフロント大阪で「2030年リヤド万博が拓く中東・サウジアラビア市場のビジネスチャンス ―大阪・関西からリヤドへ―」を開き、YouTubeでもライブ配信しました。ジェトロの説明では、日本館の準備はおおむね次の順で進む想定です。

時期主な内容(想定)
2026年度事前調査(中東協力センターが2027年1月まで実施予定)
2027年度基本計画(日本館のテーマや重点分野)
2028年度実施計画(建築設計・展示・運営・飲食物販・行催事)
2029年度建築工事など準備の遂行
2030年度竣工・テストラン、会期中の運営、閉幕後の撤収

日本館のテーマは、リヤド万博のテーマ「Foresight for Tomorrow」に合わせて基本計画の中で検討されます。日本館の展示のほか、ナショナルデーや、自治体・業界団体・企業と組んだ催しも構想に挙がっていました。

企業の参加は2027年が山場

同じセミナーでは、企業向けの話も多く出ました。

  • 中東協力センターの報告では、リヤド側の発注は大阪・関西万博より少なくとも1年早いペースで進んでいて、開幕3年前の2027年に入札のピークを迎える可能性があるとのこと
  • 経済産業省が主催し、ジェトロが事務局を務める「万博ビジネス協議会(仮称)」を2027年4月に設ける予定。海外ビジネスに関心のある日本企業を対象に、情報提供や勉強会、日本館への参画案内などを行う構想です
  • 万博全体の調達に参加するには、リヤド万博公社のベンダー登録などの手続きが必要。条件は案件ごとに違うので、在サウジアラビア日本国大使館やジェトロ、経済産業省への相談が勧められていました

2027年は、横浜のGREEN×EXPO 2027、セルビアのベオグラード国際専門博(5月15日〜8月15日)と博覧会が続く年です。その裏で、リヤドに向けた準備も大きく動き出すことになります。

関連記事日本、2030年リヤド国際博覧会への公式参加を閣議了解幹事省・副幹事省・参加機関と、参加の意義をまとめています

EVENTS日本で開催されるリヤド万博・サウジ関連イベント

リヤドへ行く前に、日本でもサウジアラビアの食や文化に触れられる催しが続いています。

毎月開催|e-food.jp「サウジアラビア1日レストラン」

郷土料理研究家の青木ゆり子氏(e-food.jp代表)が、サウジアラビアの郷土料理を1日だけのレストランで提供するシリーズです。外交関係樹立70周年を記念して2025年8月に始まり、東京・中野のGallery Cafe NICCOを中心に、ほぼ毎月開かれています。大阪での開催も増えてきました。

  • 大阪・関西万博のサウジアラビア館レストランで出されていた「ハニース」(ラム肉のグリル&ライス)なども登場
  • 昼の「カジュアル・ランチ」と、講座つきの「フルコース・ディナー」の2本立てが基本
  • 人気が高く、満席になる回がほとんど。申し込みはPeatixから
日程回・会場
2026年10月31日(土)Vol.10 カジュアル・ランチ/フルコース・ディナー(東京・中野)昼夜とも満席
2026年10月24日(土)・25日(日)in 大阪 Vol.3 ディナー(大阪・阿倍野)終了
2026年9月21日(月・祝)〜23日(水・祝)in 大阪 Vol.2(ナショナルデーに合わせて3日間)終了
2026年9月12日(土)Vol.9 独立記念日スペシャル(東京・中野)終了

セミナー・そのほかのイベント

日程イベント
2026年10月23日(金)〜25日(日)中東アラビアンフェスティバル2026(大阪・咲洲モリーナ)終了
2026年10月14日(水)経済産業省・ジェトロ「2030年リヤド万博が拓く中東・サウジアラビア市場のビジネスチャンス」セミナー(グランフロント大阪・オンライン配信)終了
2026年7月10日(金)サウジ観光局コラボ企画「サウジ×日2030コミュニティ」オンラインイベント終了

これからの予定や過去のイベントの詳しい内容は、イベント一覧のページで随時更新しています。

イベント一覧リヤド万博・サウジアラビア関連イベント一覧1日レストランの次回予定やセミナー情報はこちら

SECTION 07閉幕後は「グローバル・ビレッジ」へ

リヤド万博は、閉幕後の使い道を最初から前提にして設計されています。跡地は「グローバル・ビレッジ」と呼ばれる複合都市へ転換される計画で、商業・文化・小売・飲食・教育・住宅・ビジネスの機能を組み合わせた街になるとERCは説明しています。アル・マリCEOは2026年5月のインタビューで、建造物の95%以上を万博後に再利用する方針を語りました。

道路、電力、上下水道、通信といった基幹インフラは閉幕後もリヤド北部の都市拡張を支えるものとしてそのまま使われ、広い公園や歩行者空間は市民の公共空間として残ります。会期中の6か月だけでなく、その後の数十年をどう使うかから逆算して計画されている点は、跡地利用が議論になった万博を見てきた身としては気になるところです。

経済面では、GDPへの670億ドルの貢献、直接・間接あわせて17万1,000人の雇用創出、5万2,000人のボランティア育成という見通しがERCから示されています。

SUMMARYまとめ

  • リヤド万博の会期は2030年10月1日〜2031年3月31日の181日間。大阪・関西万博の次の登録博にあたります
  • テーマは「Foresight for Tomorrow(あすを見通す力)」。サブテーマは技術・地球環境・人間・文化・国際協働の5つ
  • 会場はリヤド北部の約600万㎡で、大阪・関西万博の約4倍。空港から約10分。パビリオンは226棟(公式FAQ)、植樹は6万1,000本以上
  • リヤドへは、サウディアの成田〜リヤド直行便が2026年11月17日に開設予定。ただし外務省は10月22日、リヤド州をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げています
  • 2026年6月時点で135カ国が参加を確認。8月のSEE協定署名を受けて、フランス・バーレーン・オマーンが参加契約を結びました
  • 日本は2025年12月16日に公式参加を閣議了解(幹事省=経済産業省、参加機関=JETRO)。2027年度に日本館の基本計画をまとめる想定です
  • 企業の参加は2027年が山場。入札のピークの可能性があり、2027年4月には「万博ビジネス協議会(仮称)」が設けられる予定です
  • 閉幕後の跡地は「グローバル・ビレッジ」へ。建造物の95%以上を再利用する方針です

開幕まではまだ4年あります。とはいえ、参加国の契約や日本館の中身は2027年にかけて次々に発表されていくはずで、横浜のGREEN×EXPO 2027を追いかけている時期とちょうど重なります。

出典:Expo 2030 Riyadh 公式サイト、博覧会国際事務局(BIE)第176回・第178回総会発表、ジェトロ「都市をつくるリヤド万博(サウジアラビア)」(2026年7月21日)、経済産業省「2030年リヤド国際博覧会」、経済産業省・ジェトロ「2030年リヤド万博が拓く中東・サウジアラビア市場のビジネスチャンス」(2026年10月14日・筆者聴講)、Arab News、Saudi Press Agency。2026年10月14日時点の情報です。
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