GREEN×EXPO2027(横浜園芸博)

グリーンテック集中見本市|園芸博の会場で4日ごとに展示が入れ替わる

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GREEN×EXPO 2027の会場内で、「グリーンテック集中見本市」が開かれます。主催は国土交通省と農林水産省。会期は2027年6月30日(水)〜7月27日(火)です。

出展する企業・スタートアップ・大学・研究機関の公募は、2026年9月29日(火)に始まりました。応募書類の締切は11月13日(金)17:00必着で、出展料は20万円(税込)です。

早わかりグリーンテック集中見本市会場内
会期6/30〜7/272027年・10:00〜17:00
会場マクニカ メッセ期間展示部分・約450㎡
主催国土交通省・農林水産省共催に6府省庁と協会
公募9/29〜11/132026年・17:00必着
会期は原則4日ごとの展示クールに区切られ、内容が入れ替わります

PROJECTグリーンテックプロジェクトとは

国土交通省が進めるプロジェクトです。横浜グリーンエクスポの開催を通じて、脱炭素・循環経済や生物多様性回復などのグリーンテックにより実現される「未来のあるべき姿」を国内外に広く発信し、日本のグリーンテックへの興味・関心と、将来にわたる需要拡大を狙います。

その中核が今回の見本市です。出展企業以外の幅広い企業からの技術の発信、ビジネスマッチングのための場と位置づけられています。

園芸博を、産業競争力の舞台にする

「日本成長戦略」に基づく17の戦略分野を中心に、グリーンテックへの持続的なニーズの拡大と産業競争力の強化を図り、「強い経済」の構築を目指すとしています。

DEMONSTRATION公募に先立ち、総理にデモンストレーション

高市総理への表敬(2026年9月28日)
高市総理への表敬(2026年9月28日)|画像:株式会社ピエクレックス(PR TIMESより)

2026年9月28日、集中見本市の技術出展の公募に先立つ「開幕前のデモンストレーション」として、3つの最先端の有望なグリーンテックが高市総理に直接紹介されました。首相官邸の「総理の一日」にも同日、高市総理が総理大臣官邸でGREEN×EXPO協会の筒井会長らによる表敬を受けたことが掲載されています。

高市総理のXの投稿によると、紹介されたのは次の3つです。

  • 「土に還る」公式ボランティア・スタッフユニフォーム
  • 省エネと脱炭素を支える超断熱材素材
  • スギから生まれる高機能プラスチック代替素材

首相官邸の動画(©内閣広報室)では、次の3者が順に技術を説明しています。

ピエクレックス|植物由来の繊維「PIECLEX」

株式会社ピエクレックスは、村田製作所発のベンチャーです(2020年4月1日設立、滋賀県、代表取締役社長 玉倉大次 氏)。次世代繊維「PIECLEX(ピエクレックス)」は、トウモロコシやサトウキビなどを原料にした植物由来のポリ乳酸繊維で、生分解性があります。

  • 圧電抗菌:繊維が伸び縮みすると微弱な電気が生まれ、菌の増殖を抑える。薬品は使わない
  • 乳酸マイクロリリース:繊維が乳酸を出し、肌環境を整える
  • 循環の仕組み「P-FACTS」:資源化までを見越して製品を設計し、「大量生産・大量廃棄」という社会課題の解決をめざす
ピエクレックスの玉倉大次 氏による説明
ピエクレックスの説明|画像:株式会社ピエクレックス(PR TIMESより)

同社は2つの機能とP-FACTSをいずれも「世界初」としていて、繊維はすでに高機能・高品質なブランドに採用されているといいます。スライドでは、衣類の廃棄量を国内で約49万トン、世界で約9,200万トンと示し、P-FACTS対応製品の普及率10%を当面の目標に掲げていました。

9月30日のピエクレックスの発表によると、表敬には代表取締役社長の玉倉大次 氏が、GREEN×EXPO協会の筒井義信会長らとともに参加しました。玉倉氏は、衣服はボタンやファスナーなど複数の部材でできていて、循環させるには素材だけでなく製品の設計や回収の仕組みも必要だと説明。生分解性の素材とP-FACTSを組み合わせた取り組みを「着るグリーンテック」として紹介し、アテンダントスタッフ・ボランティアの公式ユニフォームの実物も示しました。

公式ユニフォームを着て総理に説明する様子
公式ユニフォームを着て説明する様子|画像:株式会社ピエクレックス(PR TIMESより)

ピエクレックスが代表構成員を務める「Team P-FACTS」は、GREEN×EXPO 2027のプロジェクト協賛のプラチナパートナーです。1万人規模のアテンダントスタッフ・ボランティアが着る公式ユニフォームを提供し、着用後の回収・循環まで見据えるとしています。ピエクレックスは単独でも、にぎわい創出プロジェクトのプラチナパートナーとして参加します。

ピエクレックスは、2026年3月25日の「ピエクレックスカンファレンス2026」で、GREEN×EXPO 2027の公式スタッフ・ボランティアのユニフォームを発表しています。

関連記事横浜園芸博公式スタッフユニフォームを発表|ピエクレックスカンファレンス2026アテンダントスタッフ・運営ボランティア・花・緑ガイドボランティアのユニフォーム

Thermalytica|TIISA®超断熱材技術

株式会社Thermalytica(茨城県つくば市、代表取締役 大槻智洋 氏)は、「持続可能な未来を支える革新的なマテリアル・イノベーション」として、TIISA®(Thermal Insulation Inflatable-Solid-Air)の超断熱材技術を紹介しました。超断熱塗料などに使われています。

示された事例は、倉庫の跡地を使った室内型テニスクラブです。屋根と外壁にTIISA®断熱塗料を塗ったところ、室温は5〜7℃下がり、7月の月間電気代は約264,000円(2024年)から約100,000円(2026年)へ、約62%減ったとしています。

Thermalyticaによるデモンストレーション
Thermalyticaの説明/出典:国土交通省

TIISA®は「Thermal Insulation Inflatable-Solid-Air(断熱膨張型固体空気)」から名付けられた新素材です。特殊な微細構造で、市販のエアロゲルより3桁小さい粒径を実現し、同じ重量で使える体積が最大10倍に増えるため、軽くて経済的だとされています。99%以上の空隙率を持つ多孔構造が、固体の中を伝わる熱と気体分子の衝突による熱の移動を抑えます。

建設会社の鴻池組は、2025年9月1日からThermalyticaと共同で、技術研究所つくばテクノセンター(茨城県つくば市)の建物の屋根にTIISA®を使った断熱塗料を塗り、温度や熱流を長期観測する実証実験を行っています。

この技術は、会期中の2027年7月7日(水)〜9日(金)に日本政府苑で開かれる文部科学省の催事「省エネルギーと脱炭素を支える革新的マテリアル・イノベーションTIISA®超断熱材料技術」として、イベントリスト(第一弾)にも載っています。

森林総合研究所|スギから生まれる「改質リグニン」

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所の山田竜彦 氏(上席研究員)は、「日本発の新素材 改質リグニンによる新たな産業創出」を説明しました。

リグニンは木材の25〜35%を占める主要な成分です。スギのリグニンはほかの樹種と比べて化学構造が安定していること、スギは国内でいちばん多く原料を安定して確保できることを挙げ、「経済安全保障と林業再生に資する新たな素材産業」の創出をめざすとしています。

官邸では、改質リグニンを使った自動車のボンネットも披露されました。

改質リグニンを使った自動車のボンネットを披露する様子
森林総合研究所の説明(改質リグニンを使った自動車のボンネット)/出典:国土交通省

改質リグニンは、スギの木材にポリエチレングリコールと少量の酸を加えて約140℃で処理し、取り出したリグニンで、加工しやすいのが特徴です。2018年には森林総合研究所、産業技術総合研究所、宮城化成、光岡自動車が、改質リグニンを樹脂成分に使ったガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の内外装部品を、世界で初めて実車に取り付けて評価試験を始めると発表しました。このとき外装部品として試作されたのがボンネットです。

発表によると、改質リグニンを使ったGFRPは従来のGFRPより引張弾性率が10〜20%高く、揮発性有機溶媒スチレンの発生量は従来品の4,500分の1未満でした。

高市総理は、これらの技術がアパレル産業の「大量生産、大量廃棄」の問題、「エネルギー効率化」や「水素社会の実現」、「経済安全保障」といった社会課題の解決につながると同時に、「価格競争力」も期待できると投稿しています。横浜グリーンエクスポについては、「みんなが楽しめる万博」であると同時に、優れたグリーン技術が披露される「産業見本市」でもあると位置づけました。

内閣広報官のXは、ユニフォームの繊維を「植物から生まれ、最終的には堆肥となる『土に還る』繊維」と紹介。国土交通省のXは超断熱素材を「世界初」とし、今後こうした技術を民間企業から広く募る予定だと投稿しました。その公募が、翌29日に始まった今回の集中見本市の技術出展です。

OVERVIEW見本市の概要

項目内容
会期2027年6月30日(水)〜7月27日(火)10:00〜17:00
会場GREEN×EXPO 2027会場内 マクニカ グリーンテック メッセ
※期間展示部分(約450㎡)
主催国土交通省・農林水産省
共催内閣府 科学技術・イノベーション推進事務局、総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、環境省、(公社)2027年国際園芸博覧会協会、(一社)日本経済団体連合会、(公社)経済同友会、経団連自然保護協議会、(一社)スタートアップエコシステム協会、(一社)スタートアップスタジオ協会、(一社)インパクトスタートアップ協会、(一社)スタートアップ協会

共催には6つの府省庁と協会に加え、経済団体やスタートアップ関連の団体が並びます。9月18日時点では「その他経済団体等(調整中)」とされていた部分です。

初日は6月30日

協会が9月15日に公表した「イベントリスト(第一弾)」では、この見本市は7月1日(木)〜27日(火)と書かれていました。国土交通省の公募概要では、会期は6月30日(水)からです。

COOL4日ごとに展示が入れ替わる

この見本市の特徴は、会期の区切り方にあります。

約4週間を「展示クール」に分割

会期を原則4日ごとの展示クールに区分し、展示内容の入れ替えが予定されています。出展者の展示期間も原則1クール(4日間・搬出入を含む)です。

ENTRY出展の条件と公募スケジュール

募集されるのは、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブの実現と、日本成長戦略による官民投資の拡大に寄与する優れた技術・製品・サービスなどの展示です。

  • 実証段階から社会実証初期段階にある技術等を優先して選定
  • 展示内容はデモンストレーション、模型、映像などを含むこと。パネル・ポスターの掲示のみは選定対象外
  • 展示スペースは原則1小間(幅約3m×奥行約3m×高さ約2.4m)
  • 展示期間は原則1クール(4日間・搬出入を含む)
  • 出展料20万円(税込)のほか、展示制作費、搬出入費などの費用も出展者負担

応募できるのは、日本国内に主たる事務所を置く法人、法人格を有しない団体、個人事業主。民間企業、スタートアップ、大学、研究機関など幅広い主体が対象で、同一主体による複数応募も、複数主体による共同応募も可能です。

日程内容
2026年9月29日(火)公募開始
10月30日(金)17:00質問受付締切(必着)。これ以降の質問は受け付けない
11月13日(金)17:00応募書類提出締切(必着)
11月中旬〜12月中旬審査(外部有識者で構成する技術出展審査委員会による書面審査)
12月下旬頃結果通知

応募は、公募期間内に様式1と様式2をグリーンテック集中見本市事務局(国土交通省・業務受託者 株式会社電通)へ提出します。質問は10月30日までに様式3で受け付けます。公募要領と申請様式は、国土交通省のページに近日中に掲載される予定です。

審査では、技術等の先進性・新規性、社会課題解決への貢献性、17の戦略分野との関連性だけでなく、展示内容の魅力・発信力も評価されます。スケジュールは変更の可能性があるとされています。

キーワードとして挙げられているのは、クライメートテック、ブルーカーボン、資源循環、グリーンインフラ、NbS、フードテック、アグリテック、バイオものづくり、海洋テック、航空・宇宙、衛星・ドローン、ロボティクス、モビリティなどです。

PHOTOグリーンインフラ産業展2026で見た、園芸博につながる展示

2026年1月28日〜30日、東京ビッグサイトで「グリーンインフラ産業展2026」が開かれました。見本市のキーワードにも挙がっているグリーンインフラの技術や取り組みが集まる展示会で、GREEN×EXPO 2027に関わる展示も並びました。

第6回グリーンインフラ大賞 GREEN×EXPO賞の表彰
第6回グリーンインフラ大賞「GREEN×EXPO賞」の表彰|グリーンインフラ産業展2026(2026年1月28日撮影)
大林組のブース「森街海に広がる大林組のグリーンインフラ」
大林組のブース|グリーンインフラ産業展2026(2026年1月28日撮影)

ステージでは第6回グリーンインフラ大賞の表彰があり、「GREEN×EXPO賞」には、流域の治水と生物多様性に貢献する「鶴見川源流保水の森」の取り組みが選ばれました。表彰の場には、公式マスコットのトゥンクトゥンクも登場しています。

鹿島のブースとKAJIMA TREEのパネル
鹿島のブース。KAJIMA TREEのパネルも|グリーンインフラ産業展2026(2026年1月28日撮影)
グリーンインフラ関連の出展ブース
グリーンインフラ関連の出展ブース|グリーンインフラ産業展2026(2026年1月28日撮影)

ブースには、GREEN×EXPO 2027にVillage出展する大林組や鹿島も並びました。鹿島のブースでは、会場に建てるKAJIMA TREEのパネルも紹介されていました。

関連記事東京ビッグサイトで4展示会が同時開催|GREEN×EXPO 2027の展望もグリーンインフラ産業展2026など、2026年1月の現地レポート

SUMMARYまとめ

  • グリーンテック集中見本市は2027年6月30日(水)〜7月27日(火)、10:00〜17:00
  • 会場はマクニカ グリーンテック メッセの期間展示部分(約450㎡)。主催は国土交通省・農林水産省
  • 会期は原則4日ごとの展示クールに区分され、展示内容が入れ替わる
  • 出展者の公募は2026年9月29日に開始。応募書類の締切は11月13日(金)17:00必着、結果通知は12月下旬頃
  • 出展料は20万円(税込)。展示制作費・搬出入費も出展者負担
  • パネル・ポスターのみの展示は対象外。デモンストレーションや模型、映像を含むことが条件
  • 9月28日には公募に先立ち、「土に還る」ユニフォーム・超断熱材素材・スギ由来のプラスチック代替素材の3つが高市総理に紹介された。説明したのはピエクレックス、Thermalytica、森林総合研究所

見本市が開かれるのは、会期の中盤にあたる6月30日からの4週間です。出展を考えている企業や研究機関は、まず10月30日の質問締切と11月13日の応募締切を押さえておきたいところです。

出典:国土交通省「グリーンテックプロジェクト」(2026年9月29日確認・Thermalyticaと森林総合研究所の写真も同ページより)、株式会社ピエクレックス プレスリリース「ピエクレックス代表・玉倉大次が高市総理を表敬訪問」(2026年9月30日、PR TIMES・表敬とピエクレックスの写真3枚も同リリースより)、首相官邸「横浜グリーンエクスポに関する表敬」(2026年9月28日)、高市早苗 氏・内閣広報官・国土交通省(@MLIT_EXPO2027)のX投稿(2026年9月28日)、首相官邸の動画(©内閣広報室)、鴻池組「超断熱素材TIISA®を用いた高性能断熱塗料の実証実験を開始」(2025年12月22日)、森林総合研究所ほか「木材の成分を用いた自動車内外装部品の実車搭載試験を開始」(2018年10月23日)。3者の技術の内容は、動画に映るスライドと説明から読み取った。

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