タイ館|横浜園芸博パビリオン・展示紹介
タイ館のモチーフは「落ちた花」|次の開催国タイが横浜で描く、終わらない循環Thailand Pavilion|タイ王国
タイ王国は2025年10月14日、在東京タイ王国大使館でGREEN×EXPO 2027の公式参加契約を結びました。その後に公開された農業普及局の特設サイトから、出展の中身が見えてきています。区画はType 1 屋外展示区画(標準型)の4D・619㎡。タイ絵画の「ดอกไม้ร่วง – ดอกไม้ลอย(落ちる花・漂う花)」を主題に、花が土に還り、種になり、また咲くという生命の循環を見せる構成です。タイは2029年コラート国際園芸博覧会の開催国でもあります。
| 国・地域 | タイ王国 |
|---|---|
| 主管 | 農業普及局(農業・協同組合省) |
| 陳列区域政府委員 | 農業普及局長 |
| 公式参加契約 | 2025年10月14日、在東京タイ王国大使館で調印 |
| 出展コンセプト | Collaboration with Nature: Caring for Life, Cultivating the Future |
| 展示の形式 | Living Exhibition(生きた展示) |
コンセプトは「落ちた花」
タイの特設サイトによると、Thailand Pavilionはタイ絵画に描かれてきた「花」の主題を出発点にしています。取り上げられているのが「ดอกไม้ร่วง – ดอกไม้ลอย(落ちる花・漂う花)」。落ちた花が土に還り、そこから種が芽を出し、ふたたび咲く——という、終わりのない生命の循環に重ね合わせた表現です。
伝統的なモチーフをそのまま再現するのではなく、現代的な形に置き換えて見せるという説明になっています。花と緑を主題にした園芸博のなかでも、花そのものの一生を語る切り口です。
五感で味わうパビリオンへ
調印式でタイ側は、パビリオンについて味覚・香り・視覚・音を通じて心と体の調和を育むマルチセンサリーな体験を提供すると説明しました。人と自然がともに栄える未来を描き、土壌の再生、地域の活性化、思いやりのある技術の融合を通じて、持続可能な社会に向けたタイの取り組みを紹介するとしています。
Living Exhibitionという見せ方
展示のコンセプトは「Collaboration with Nature: Caring for Life, Cultivating the Future」。タイらしさと、技術・イノベーション、そして持続可能な発展の道筋を、Living Exhibition(生きた展示)という形式で組み立てるとされています。博覧会全体のテーマ「幸せを創る明日の風景」に呼応させた構成です。
紹介される内容として挙げられているのは、園芸作物、ハーブ、果物、加工品、そしてアグリツーリズム。農業普及局は、タイを「食料安全保障・イノベーション・持続可能な発展を重視する農業国」として見せる場と位置づけています。
タイの出展体制は閣議決定で定められています。農業・協同組合省、なかでも農業普及局を推進の中心となる機関とし、農業普及局長が陳列区域政府委員(Commissioner General of Section)を務める、という形です。2026年6月時点の局長はアンチャリー・スワチッタノン氏。2025年10月の調印時はピラパン・コートン局長が務めていました。
大阪・関西万博のタイ館は保健省が主管でしたが、園芸博では農業側が前に出る体制になります。
公式参加契約と日タイ修好140周年
調印式は2025年10月14日、在東京タイ王国大使館で行われました。ウィッチュ・ウェチャーチーワ駐日タイ大使が臨席し、タイ王国陳列区域政府委員(農業普及局長)、GREEN×EXPO協会の河村正人 事務総長、越川和彦 政府委員(当時)が調印しています。
協会側は、両国が1887年の「日タイ修好宣言」以来の関係を積み重ねてきたこと、開催年の2027年が日タイ修好140周年にあたることに触れました。この節目は、その後のタイ側の広報方針にも引き継がれています。
140周年の展示を、パビリオンの中に
2026年6月19日、在タイ日本国大使館の一等書記官(農林水産担当)が農業普及局を訪れ、GREEN×EXPO 2027の広報用サインボードを手渡しました。局長と副局長が応対しています。
続く6月24日には、農業普及局の副局長が在タイ日本国大使館の公使参事官(経済部長)と会い、準備状況を報告しています。ここで話し合われたのが、日タイ関係140周年を祝う展示をThailand Pavilionの中に設けるという方向でした。周年を広報の切り口に使うだけでなく、展示そのものに組み込む案が動いていることになります。
この場で農業普及局は、タイがGREEN×EXPO 2027への参加の意思を最初に表明した国だと説明しています(タイ側の発表による)。
Young Smart Farmerを前面に
2026年6月29日には、タイの代表団が在東京タイ大使館と広報・運営面の連携について協議しました。この場で示されたのが、140周年と結びつけた発信と、Young Smart Farmer(YSF)——タイ農業の次世代の担い手——を前面に出すという方向です。
翌6月30日には横浜で国際参加者会議(IPM)が開かれ、70を超える国・国際機関の代表が集まりました。タイはこの場で祝辞を述べ、Thailand Pavilionの模型を協会に贈呈しています。
次のA1開催国はタイ
タイの出展にはもうひとつの意味があります。GREEN×EXPO 2027の次のA1クラス国際園芸博覧会は、タイで開かれます。2029年11月10日から2030年2月28日まで、タイ東北部のナコンラチャシマー県(通称コラート県)で開催される「2029年コラート国際園芸博覧会」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 2029年コラート国際園芸博覧会 |
| 会期 | 2029年11月10日〜2030年2月28日 |
| 会場 | タイ・ナコンラチャシマー県(コラート県) |
| テーマ | Nature and Greenery: Envisioning the Green Future(自然と緑:緑の未来を描く) |
| 区分 | A1クラス(BIE認定手続中) |
タイでのA1開催は、ラーマ9世在位60周年にあたる2006年に北部チェンマイ県で開かれて以来2回目になります。横浜での出展は、次の開催国が前回開催地で自国を見せる場でもあるわけです。協会も今回の調印を、2029年へ絆をつなぐ節目と位置づけています。
会場のどこにできる?
タイ館が入るのは、国際出展エリア4の区画4D。619㎡で、エリア4(4A〜4D・計1,934㎡)のなかでは最も大きい区画です。参加国が自費で庭園やパビリオンを建設するType 1(標準型)に区分されています。
区画割りは検討中の段階で、今後変更される可能性があります。
GREEN×EXPO 2027 開催概要
| 正式名称 | 2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027) |
|---|---|
| 会期 | 2027年3月19日(金)〜9月26日(日) |
| 会場 | 旧上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷区・旭区) |
| 全体テーマ | Scenery of the Future for Happiness(幸せを創る明日の風景) |
タイ館は区画4D・619㎡。Type 1(屋外展示区画・標準型)で、エリア4のなかでは最大の区画です。
モチーフはタイ絵画の「落ちる花・漂う花」。落ちた花が土に還り、種になり、また咲くという循環を、味覚・香り・視覚・音に訴えるマルチセンサリーな体験として見せます。コンセプトは「Collaboration with Nature: Caring for Life, Cultivating the Future」。
2027年は日タイ修好140周年。そして次のA1国際園芸博は2029年、タイのコラートで開かれます。横浜での出展は、次の開催国からのあいさつでもあります。続報が出たらこの記事に追記します。
・【保存版】横浜園芸博のパビリオンは?|Village別 出展企業リストと最新情報
・GREEN×EXPO 2027 公式参加国・国際機関まとめ
・イタリア館|「麦の建築」でGXハウスを包む
・万博と園芸博の違いとは?GREEN×EXPO 2027が「両方」である理由
出典・関連リンク
・Thailand Pavillion Expo Yokohama 2027(特設サイト)|タイ農業普及局
・GREEN×EXPO協会「タイ王国とGREEN×EXPO 2027が公式参加契約を調印」(2025.10.15)
・タイ農業普及局「Thailand Pavilionの準備を進める」(2026.7.1)
・タイ農業普及局「在タイ日本大使館一等書記官の表敬」(2026.6.19)
・タイ農業普及局「在タイ日本国大使館と協議、140周年を祝う展示を検討」(2026.6.24)
・タイ館に関する記事|朝日新聞
※2026年8月時点の公開資料にもとづく内容です。区画・面積・計画は今後変更される可能性があります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。
