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【レポート記事】GREEN×EXPO TALK!|「誰もが楽しく参加できる」博覧会を考える

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GREEN×EXPO TALK! |大阪・関西万博から横浜へ、「誰もが楽しく参加できる」博覧会を考える

 2026年3月29日(日)、横浜・BankParkYOKOHAMAにて「GREEN×EXPO TALK!」が開催されました。2025年の大阪・関西万博から、2027年の「GREEN×EXPO 2027」へ。万博の熱や共創のムーブメントをどう横浜へつないでいくのかを考えるトークイベントです。

 イベント全体を貫いていたキーワードは、「ひらく」、そして「誰もが楽しく参加できる仕掛け」。登壇者された方々は、それぞれの実践や構想を交えながら、GREEN×EXPO 2027を“見る博覧会”ではなく、“自分も関われる博覧会”として育てていくためのヒントが語られました。

GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

ゲストトーク|大阪から横浜へ、EXPOから生まれるムーブメントとは

 ゲストトークには、「こみゃく」の生みの親であるクリエイティブディレクターの引地耕太氏が登壇。大阪・関西万博においてデザインシステムなどに関わってきた立場から、万博がどのように“参加の文化”を育てていったのかが語られました。

 引地氏が繰り返し強調していたのは、万博を一部の人のものにしないことでした。構想初期から大切にしてきた言葉が、まさに「ひらく」だったといいます。

いろんな「ことぅんく」の紹介も|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 最初のうちは、「万博は遠い存在」「自分には関係ない」という空気もあった一方で、時間がたつにつれて、大阪では人々がそれぞれの形で関わり始めたそうです。来場者が何度も会場に通ったり、自発的に情報をまとめたり二次創作のような形で盛り上げたりする動きが生まれ、結果として「みんなでつくる万博」になっていきました。

 印象的だったのは、「完璧でなくても、まず動いてみることが大事」というメッセージです。公式・非公式の境界を必要以上に硬くせず、人々の小さなアクションが自然と広がっていく状態こそが、万博らしい開かれ方なのではないか。そんな問いかけは、これから横浜で始まるGREEN×EXPO 2027にもそのまま重なります。

トークセッション|誰もが楽しく参加できる仕掛けとは?

 続いて行われたトークセッションのテーマは、誰もが楽しく参加できる仕掛けとは?
登壇したのは、GREEN×EXPO 2027にvillage出展する企業の若手メンバーです。

  • 小山田 哉 氏(東邦レオ株式会社)
  • 大坂 高敬 氏(株式会社竹中工務店)
  • 新野 彬子 氏(住友林業株式会社)
  • 伊藤 槙之介 氏(大和ハウス工業株式会社)
企業登壇者の方々|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 それぞれが構想中のプロジェクトや関わり方を紹介しながら、展示や建築にとどまらない“参加のデザイン”について語りました。また、今回の企業出展(鹿島建設の担当者は本日都合がつかず欠席)はいずれも近くに位置しており、5つの出展企業が“ご近所”(=「5近所」)としてつながり、互いに高め合いながら新たな価値を生み出していけるかも、今後の大きなポイントとなりそうです。

「5」近所の視点で|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

東邦レオ|風景の中で人が自然に混ざり合う場をつくる

 東邦レオの小山田氏は、都市の緑化や特殊土壌の開発などを手がけてきた自社の仕事を紹介しながら、GREEN×EXPO 2027では緑そのものを都市の価値やコンセプトとして提案していきたいと語りました。village出展するのは「やさしくなりたい。STUDIO」というプラットフォーム的な発想の空間です。

やさしくなりたい。STUDIO|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)


 単に展示を見せる場ではなく、そこに人が滞在し、語り合い、何かが起こる場にしたい。トーク、交流、プレイベントなどを重ねながら、場そのものを開いていきたいという考えが示されました。

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 特に印象的だったのは、建築や設備だけでなく、その場に生まれる風景を含めてデザインしたいという視点です。見晴らしの良い場所、夕景の美しさ、人が踊ったり集まったりする様子まで含めて、空間の体験価値になるという考え方は、GREEN×EXPOらしい開放感と重なります。

 また、子どもが思わず登りたくなるような仕掛けや、音楽や盆踊りのようなわかりやすい盛り上がりも大事にしたいと語り、“つい参加してしまう”空気をどうつくるかが大きなポイントであることが伝わってきました。

盆踊りのプレイベントも計画|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

竹中工務店|建築もまた、自然とともに変化していくもの

 竹中工務店の大坂氏が紹介したのは、建築を完成された固定物として捉えるのではなく、自然とともに変化していく存在として考える視点でした。花や植物のように、時間とともに表情を変えるものを建築や展示にどう取り込むか。それが新しい博覧会の空間体験につながるという考えです。

くるくるく|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 竹中グループの出展テーマとして示されたのは、循環のイメージを込めた「くるくるく」。
素材や資源が巡り、いのちの時間がめぐり、建物もまたその循環の中にある。そうした思想を、わかりやすい空間体験に落とし込んでいきたいという話もありました。

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 参加の仕掛けについては、展示の内と外を明確に分けすぎないことの大切さにも言及しました。たとえば、パビリオンの中に入れなかった人にも、音や光、気配が外へにじみ出てくることで、会場全体がひとつの体験になる。「入れた人だけのもの」にしない開き方ができれば、もっと豊かな博覧会になるのではないかという提案がありました。

住友林業|木と森の視点を、来場者の新しい気づきにつなげる

 住友林業の新野氏は、広報担当としての視点から登壇。現在は公式SNSなどの運用に携わっており、GREEN×EXPO 2027では社内のプロジェクト委員会に広報として関わっていると紹介しました。

「100(ひゃく)の森」|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 住友林業は長い歴史の中で木と向き合ってきた企業であり、その企業活動そのものが、今回の博覧会のテーマと深く重なっていると語ります。出展テーマとして紹介されたのは、100の森。多様な視点やまなざしを通じて森を見ることで、来場者が新しい気づきに出会うきっかけをつくりたいという思いが込められています。

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 また、大阪・関西万博会場内で使われたコンテナをGREEN×EXPO 2027へ移送して活用する取り組みにも触れ、大阪から横浜へのレガシーの継承を具体的なかたちで示しました。これは単なる資材の再利用ではなく、万博で生まれた体験や記憶を次の場へつないでいく象徴的な取り組みともいえます。

「100(ひゃく)の森」のロゴ、こみゃくに見えますね|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 さらに新野氏は、企業の発信が一過性で終わりがちなことに課題意識を示し、展示や空間をきっかけにしながら、SNSや特設サイトを通じて来場前後にも興味や参加が続く状態をつくっていきたいと語りました。

大和ハウス工業|幸せをつくる明日の風景を描く

 大和ハウス工業の伊藤氏は、大阪本社でまちづくりに関する設計を担当してきた経験を踏まえつつ、現在はGREEN×EXPO 2027に向けたグループの取り組みを推進していると紹介しました。

エンドレスハートパーク|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 同社が出展するのは、グループのシンボルでもあるエンドレスハートを冠した「エンドレスハートパーク」。そのコンセプトは、「緑がつくる、幸せをつくる、明日の風景」です。

 自然の恵みを享受しながら、人とまち、暮らしと緑がゆるやかにつながり、未来の風景を描いていく。そんな考え方が、出展全体のベースにあると語られました。

 伊藤氏の話からは、大阪・関西万博を実際に体感したからこそ見えてきた、どう見せ、どう期待を高め、どう会期前から人の気持ちを動かしていくか。という意識も伝わってきました。

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共通していたのは、「企業」ではなく「人」が楽しむこと

 企業が出展する場ではあるけれど、最終的に動かすのは人。個人が自分ごととして面白がり、他社の人ともつながりながら、自然にアイデアやコラボレーションが生まれていく。そうした状態が、結果として会場全体の魅力につながるのではないかという考えが共有されました。

 特に話題に上がっていたのは、企業同士がもっと横につながることの重要性です。各社がそれぞれ別々に発信するだけでなく、互いの取り組みを紹介し合ったり、共同で広報したり、近所づきあいのような関係性を築くことで、会場全体がひとつの大きな“まち”のようになっていく可能性が見えてきます。

ときめいたポイントに「トゥンク」をあげる引地さんとヨコハマ未来創造会議の加藤さん
GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 大阪・関西万博で見られた熱気も、最初からすべてが完成していたわけではなく、人々が思い思いに楽しみ方を見つけ、少しずつ関わり方を広げていった結果として生まれたものでした。
 だからこそ横浜でも、決められたことをこなすのではなく、現場の人たちが自分なりの楽しさや意味を見つけながら関わることが大事だという話には、大きな説得力がありました。

「人生を変える場」にもなりうる

 セッション終盤では、引地氏から、万博のような大きなプロジェクトは人の人生を変える可能性がある場でもあるという話がありました。

 組織に言われたから関わるのではなく、自分ごととして飛び込み、面白がり、動いてみる
そうした姿勢で参加した人ほど、会期後に大きな学びや成長を持ち帰ることができる。万博や博覧会は、ただのイベントではなく、自分自身の視野や生き方まで変えてしまうような力を持つことがあるのだと、熱を込めて語られました。

最後に全員で記念撮影も|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

 この言葉は、会場にいた関係者だけでなく、これからGREEN×EXPO 2027に関わっていく多くの人に向けたエールでもあったように思います。

地球ごとトゥンク展も同時開催

 会場では、環境や行動変容をテーマにした「地球ごとトゥンク展」も同時開催されました。トークイベント終了後には、来場者が心ときめいた作品に「トゥンク」投票を行う参加型企画も実施。その後交流タイムへと移っていきました。
 イラストは、男性キャラクターを「あぶく」さん、女性キャラクターを「キシダチカ」さんが担当しています。

地球ごとトゥンク展|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)
ときめいた絵に「トゥンク」シールを|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

会場にはジャンボフラワーも

 会場中央には、山田知果(やまだともか)さんが制作したジャンボフラワーも展示され、空間を華やかに彩りました。
 山田さんは、人に癒しやあたたかな気持ちをもたらす花が好きで、大量廃棄の現状を知ったことをきっかけに卒業制作でジャンボフラワーを制作。廃棄される花を紙に漉き込んで和紙として再生し、大きな花として再び咲かせることで、見る人にポジティブな感情やワクワクを届ける作品づくりを目指しているそうです。

|GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)

開催概要

GREEN×EXPO TALK!(2026.3.29撮影)
項目内容
イベント名GREEN×EXPO TALK!
開催日2026年3月29日(日)
時間14:00〜16:30
会場Bank Park YOKOHAMA
主な内容ゲストトーク、トークセッション、交流タイム
テーマ大阪から横浜へ/誰もが楽しく参加できる仕掛けとは?
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