園芸文化館|横浜園芸博パビリオン・展示紹介
園芸文化館は江戸の園芸文化を丸ごと|将軍遺愛の五葉松、のとキリシマツツジ、あしかがの藤園芸文化館(Horticultural Pavilion)
江戸時代、日本の園芸文化は世界最高水準まで発達しました。園芸文化館では、その精髄を実物と体験で伝えます。伝統園芸植物や盆栽をこれまでにない規模で一堂に展示する計画で、徳川三代将軍・家光公が愛したと伝わる五葉松、能登に受け継がれてきたキリシマツツジ、あしかがフラワーパークの藤といった顔ぶれが並びます。建築のデザイン監修は隈研吾 氏です。
| 施設名 | 園芸文化館(Horticultural Pavilion) |
|---|---|
| デザイン監修 | 隈研吾 氏 |
| 展示の柱 | 伝統園芸植物と盆栽の大規模展示/江戸の暮らしと園芸の再現/園芸文化の発信と継承 |
| 位置 | 会場中央の日本ゾーン |
| 特設サイト | horticulturalpavilion.expo2027yokohama.or.jp |
園芸文化とは何か
特設サイトの説明によると、園芸文化とは植物を育てることを通して自然と向き合い、美しさや価値を見いだし、暮らしのなかに息づいてきた日本の文化のことです。
園芸文化館では、江戸時代から受け継がれてきた日本独自の園芸の美意識と技術を、実物や体験を通して伝えます。自然との共生、地域とのつながり、心の豊かさをあらためて見つめ直し、その文化を未来へつなぐ、という位置づけです。
建築のデザイン監修は、テーマ館と同じく隈研吾 氏が務めます。屋内展示は建築との調和を考えた空間構成になる予定です。
桔木構法と雁行配置、そして緑の屋根
建物には、日本独自の桔木構法(はねぎこうほう)が用いられます。桔木は、軒を深く出すために屋根裏に斜めに仕込む太い木材のことで、てこの原理で軒先を持ち上げる仕組みです。寺社建築などで使われてきた、日本の木造建築ならではの技術です。
配置は、既存の地形に沿った雁行配置(がんこうはいち)。雁の群れが斜めに連なって飛ぶ姿になぞらえた、建物を少しずつずらして並べる手法です。書院造などに見られる日本建築の伝統的な配置で、地形の起伏をならさずに建物を置くことができます。
さらに屋根を緑化して大地と接続させることで、周辺環境と調和したデザインになります。冒頭の外観イメージで、建物の屋根がそのまま芝地につながって見えるのはこのためです。
日本の園芸文化を紹介する施設を、日本の建築技術でつくる。展示の中身と建物のつくり方が同じ方向を向いている構成です。
3つの見どころ
1. 伝統園芸植物を、これまでにない規模で一堂に
江戸時代から受け継がれてきた伝統園芸植物や盆栽が集結します。美と育種の技が息づく植物の数々に出会える、というのが柱のひとつです。盆栽をはじめとする多種多様な伝統園芸植物を、季節ごとに入れ替えて展示する予定とされています。
2. 江戸から続く、暮らしのなかの園芸文化
江戸の植木屋の暮らしや、年中行事と植物の関わりを再現します。映像や資料もあわせて紹介する構成です。
3. 世界への発信と、未来への継承
国際文化交流の拠点である横浜から、日本の園芸文化を世界へ発信します。若い担い手とともに次世代へつなぐという視点も掲げられています。
公開されている展示植物
特設サイトでは、展示される植物のうち3件が具体的に公表されています。いずれも産地や所蔵先の協力を得たものです。
| 植物 | 内容 | 協力 |
|---|---|---|
| のとキリシマツツジ | 江戸時代から能登に受け継がれてきたツツジ | NPO法人のとキリシマツツジの郷 |
| 藤 | 世界的名園の藤の競演 | あしかがフラワーパーク |
| 五葉松 | 徳川三代将軍・家光公 遺愛と伝わる、江戸時代から伝来する五葉松 | 東京都立園芸高等学校 |
家光公の五葉松を所蔵しているのが都立の高校だというのが目を引きます。東京都立園芸高等学校は1908年創立の農業系高校で、若い担い手が文化を受け継いでいるという「3つ目の見どころ」がそのまま形になっている展示といえます。
変化アサガオと江戸の園芸
当時の植木店や、栽培した花を鑑賞する花屋敷を再現し、突然変異によって多様な色や形を示す「変化アサガオ」や盆栽などが並ぶ計画です。
変化アサガオは、1865年のメンデルの法則の発表より前から、庶民の間で選抜や交配が行われていたとされています。遺伝の仕組みが体系化される前に、経験の積み重ねだけで多彩な品種を生み出していたわけです。徳川将軍から庶民までが園芸を楽しんだ時代を、実物とデジタルの両方で体験できます。
愛称が2026年9月中旬に決まります
GREEN×EXPO協会は2026年6月5日から26日まで、協会が主体的に運営する3つの展示施設——テーマ館・園芸文化館・屋内出展施設——の愛称を一般公募していました。
審査の観点として挙げられていたのは、誰もが親しみやすく覚えやすいか、博覧会らしさやイメージが連想できるか、施設の使用用途がイメージしやすいか、の3点。最優秀作品は1施設につき1作品が選ばれ、2026年9月中旬頃に公式サイトで公表される予定です。決まった愛称は会場マップなどで使われます。
つまり、この記事で「園芸文化館」と呼んでいる施設には、まもなく別の呼び名が付きます。発表があり次第、追記します。
会場のどこにできる?
園芸文化館があるのは、会場中央の日本ゾーン。テーマ館や屋内出展施設に近い位置です。
GREEN×EXPO 2027 開催概要
| 正式名称 | 2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027) |
|---|---|
| 会期 | 2027年3月19日(金)〜9月26日(日) |
| 会場 | 旧上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷区・旭区) |
| 全体テーマ | Scenery of the Future for Happiness(幸せを創る明日の風景) |
園芸文化館は、江戸時代から受け継がれてきた日本独自の園芸の美意識と技術を、実物と体験で伝えるパビリオンです。デザイン監修は隈研吾 氏。伝統園芸植物と盆栽をこれまでにない規模で一堂に集めます。
公表されている展示植物は、のとキリシマツツジ、あしかがフラワーパークの藤、そして徳川三代将軍・家光公 遺愛と伝わる五葉松。変化アサガオや、江戸の植木屋の暮らしの再現も予定されています。
展示は季節ごとに入れ替わる予定なので、来場の時期によって見られるものが変わります。続報が出たらこの記事に追記します。
・【保存版】横浜園芸博のパビリオンは?|Village別 出展企業リストと最新情報
・テーマ館|隈研吾の木造大空間に、奇跡の一本松の根
・GREENEXPO2027 500日前─横浜から“グリーンな未来”を考える
出典・関連リンク
・園芸文化館 特設サイト|GREEN×EXPO 2027
・テーマ館、園芸文化館、屋内出展施設の愛称を公募!|GREEN×EXPO協会(2026.6.4)
・GREEN×EXPO 2027 開催まであと2年 主要施設の展示内容など最新の会場計画を発表(2025.3.19)
・[知りたい聞きたい伝えたい]#横浜園芸博の見どころは?|日本農業新聞
・開催500日前!政府出展、テーマ館等の準備状況を紹介(2025年10月作成)|YouTube
・園芸文化館 紹介動画|YouTube
・177th General Assembly of the BIE
・Expo 2027 Yokohama (GREENxEXPO) | AIPH Expo Conference
・GREEN×EXPO 2027(2027年国際園芸博覧会)オフィシャルサイト
※2026年8月時点の公開情報にもとづく内容です。展示内容は今後変更される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。
