下水生まれの肥料「みんなのこえ」が横浜園芸博に|再生リン「はま巡リン」入り

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横浜市は2026年10月26日、下水から回収したリンを使った肥料「みんなのこえ」が、横浜グリーンエクスポの会場で使われると発表しました。

原料になるのは、横浜市民の暮らしの中で出た下水から取り出した再生リン「はま巡リン(はまじゅんりん)」。GREEN×EXPO協会の植栽試験で効果が確かめられ、横浜市出展「つなぐ横浜フィールド」の花や緑を育てます。

横浜の下水道資源 × GREEN×EXPO 2027

肥料「みんなのこえ」早わかり

会場で使用

01どんな肥料?

下水生まれのリン入り

再生リン「はま巡リン」を10%配合した有機質肥料

02会場のどこで?

つなぐ横浜フィールド

「農と食ビレッジ」と「里山ビレッジ」の横浜市出展エリア

03使う種類

8-8-8タイプ

窒素・リン酸・カリウムが各8%の使いやすい汎用タイプ

04買える?

JA横浜で販売中

JA横浜の農産物直売所「メルカート」各店の店頭で

出典:横浜市記者発表資料(2026年10月26日・下水道河川局)

横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2026の横浜市のブースに並んだ「みんなのこえ」の8-8-8と12-5-5の袋と、野菜の植栽
横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2026(パシフィコ横浜)の横浜市のブースに並んだ「みんなのこえ」(2026年5月4日撮影)

SECTION 01会場の「つなぐ横浜フィールド」で使用

「みんなのこえ」が使われるのは、主に会場内の「農と食ビレッジ」と「里山ビレッジ」にある横浜市出展「つなぐ横浜フィールド」です。使うのは8-8-8タイプの予定です。

使われることになったのは、GREEN×EXPO協会が行った植栽試験で、会場の植栽での効果や向き・不向きが確認されたためです。横浜市は、肥料を通じて横浜グリーンエクスポを盛り上げるとともに、持続可能な農業や循環型社会に向けた市の取組を国内外に発信するとしています。

会場図。右上の農と食ビレッジと、南側の里山ビレッジに「みんなのこえ」8-8-8を使うことを示した図
「みんなのこえ」を使う農と食ビレッジ(右上)と里山ビレッジ(右下)|画像:横浜市記者発表資料(会場図提供:GREEN×EXPO協会)
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SECTION 02肥料「みんなのこえ」とは

「みんなのこえ」は、下水汚泥から回収した再生リン「はま巡リン」を10%配合し、堆肥や米ぬかなどの有機質原料を使った、環境に配慮した肥料です。2種類あります。

タイプ成分と向いている畑
8-8-8窒素8%・リン酸8%・カリウム8%。作物全般に使いやすい汎用タイプ(会場で使用)
12-5-5窒素12%・リン酸5%・カリウム5%。リン酸とカリウムが多すぎる畑向け

JA横浜の農産物直売所「メルカート」各店の店頭で販売しています。

肥料「みんなのこえ」のパッケージ。左が8-8-8タイプ、右が12-5-5タイプ(各20kg)
「みんなのこえ」のパッケージ。左が会場で使う8-8-8、右が12-5-5|画像:横浜市記者発表資料

横浜市は2023年7月、JA横浜・JA全農かながわと「下水再生リンの肥料利用促進に関する連携協定」を結び、この肥料の製造と利用を広げてきました。肥料の原料の多くを輸入に頼っている状況から、国産化を進め、市内の食料安全保障を強くするのがねらいです。

SECTION 03なぜ下水からリンを取り出すの?

リンは植物の生育に欠かせない栄養素で、下水に多く含まれています。いっぽう、化学肥料の原料になるリン安(リン酸アンモニウム)はほぼすべてを海外からの輸入に頼っていて、近年は国際情勢の影響で価格が高騰しています。そこで、下水汚泥に含まれるリンを肥料に使い、国内で資源を回そうというのがこの取組です。

輸入相手国リンの輸入量の割合
中国73%
モロッコ15%
アメリカ4%
ベトナム0.3%
その他8%

令和5年7月〜令和6年6月。全輸入量は35.7万トン。出典:農林水産省「肥料をめぐる情勢」(令和8年1月)。会場のパネルより

「下水から肥料つくります」と題した横浜市のパネル。はま巡リンの説明、輸入リン価格の推移、輸入相手国のグラフ、下水からはじまるリンの資源循環の図
横浜市のパネル「下水から肥料つくります」。横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2026(2026年5月4日撮影)

パネルの下には「下水からはじまるリンの資源循環」の図。下水のリンは、水再生センターと汚泥資源化センターを経て再生リン「はま巡リン」になり、肥料「みんなのこえ」に。その肥料で野菜を育て、私たちが食べ、また下水へ戻っていきます。再生リンで育った農産物を食べることが、リン資源の循環につながると紹介されていました。

2025年12月4日に横浜市役所で開かれた第54回横浜花き展覧会でも、横浜市下水道河川局がこの事業を紹介していました。パネル「横浜市の下水再生リン肥料化事業」では、下水汚泥からの再生リンの回収、下水からはじまる資源循環に加えて、横浜市・JA横浜・JA全農かながわの3者の連携で「みんなのこえ」が生まれたことが説明されています。

横浜市役所に置かれたパネル「横浜市の下水再生リン肥料化事業」。下水汚泥から再生リン回収、下水からはじまる資源循環、3者連携の説明
パネル「横浜市の下水再生リン肥料化事業」。第54回横浜花き展覧会・横浜市役所(2025年12月4日撮影)

SECTION 04下水からリンを取り出す「はま巡リン」

横浜市は、下水汚泥を処理する過程で出る脱水ろ液から、リン酸マグネシウムアンモニウム(MAP)として再生リンを回収しています。国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)の自主研究として、月島JFEアクアソリューションと共同で実証している技術です。

瓶に入った「再生リン」と「再生リン入り肥料」、はま巡リンのリーフレット
左の瓶が下水から回収した再生リン、右が再生リン入り肥料。第54回横浜花き展覧会・横浜市役所(2025年12月4日撮影)

名前の「はま巡リン」は、再生を表す「巡る」と「リン」を合わせたもの。ロゴマークは、循環を表す無限大(∞)のマークをもとに、再生リンから芽吹いて育つ植物の双葉をデザインしています。

暮らしの下水が、会場の花と緑に

この取組は、横浜市がすすめるサーキュラーエコノミーの取組「横浜サーキュラーリンク」のうち、横浜の「農」を生かした食の循環をめざす「たべるサーキュラー」の一つです。市民が毎日流している下水が、肥料になって横浜グリーンエクスポの花や緑を育てます。

SUMMARYまとめ

  • 下水から回収した再生リン「はま巡リン」入りの肥料「みんなのこえ」が、横浜グリーンエクスポの会場で使われる
  • 使うのは横浜市出展「つなぐ横浜フィールド」(農と食ビレッジ・里山ビレッジ)で、8-8-8タイプ
  • GREEN×EXPO協会の植栽試験で効果を確認
  • 「みんなのこえ」は8-8-8と12-5-5の2種類。JA横浜のメルカート各店で販売中
  • リン肥料の原料はほぼ輸入頼みで、輸入量の73%が中国から。下水のリンで国内で資源を回す
  • 横浜市のサーキュラーエコノミーの取組「たべるサーキュラー」の一つ

開幕まで144日。会場で花や野菜を見かけたら、その足もとには横浜の下水から生まれたリンが使われているかもしれません。

出典:横浜市記者発表資料「下水再生リン入り肥料『みんなのこえ』が横浜グリーンエクスポ会場で使用されます!」(2026年10月26日・下水道河川局マネジメント推進部)。画像:横浜市(会場図提供:GREEN×EXPO協会)。写真は第54回横浜花き展覧会(2025年12月4日)と横浜フラワー&ガーデンフェスティバル2026(2026年5月4日)で撮影。
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