パビリオン・出展情報

アメリカ|GREEN×EXPO 2027パビリオン・展示紹介

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国際出展GREEN×EXPO 2027 パビリオン・展示紹介

アメリカは「幸せの追求」|60年越しの初参加、全米の植物園が交代で横浜に来るU.S. Exhibit|アメリカ合衆国

アメリカは2026年1月14日にGREEN×EXPO 2027の公式参加契約を結びました。国際園芸博覧会という枠組みが1960年に始まって以来、アメリカが参加するのは初めてです。出展テーマは独立宣言の一節と重なる「The Pursuit of Happiness(幸せの追求)」。約1,394㎡の敷地にアメリカの6つの生物地理区を再現し、来場者はその中を旅するように歩きます。設計はシアトルのGGN。全米の植物園が交代で会場に立つ「Gardens in Residence」という仕組みも動き始めています。

PAVILION DATA|基本情報
FIRST TIME1960年以来で初参加
AREA約1,394㎡(15,000 sq ft)
BIOREGIONS6つの生物地理区
国・地域アメリカ合衆国
主導米国植物園(USBG)/アメリカ公共庭園協会(APGA)
出展テーマThe Pursuit of Happiness(幸せの追求)
Commissioner Generalメアリー・グラス 氏(駐日米国大使夫人)
Commissioner of Sectionトーマス・E・オースティン 連邦議会議事堂建築監
ランドスケープ設計GGN(Gustafson Guthrie Nichol/米国シアトル)
出展面積15,000平方フィート(約1,394㎡)
公式参加契約2026年1月14日調印/G7で最初の公式参加国
支援国務省、農務省、在日米国大使館
HISTORY

60年越しの、初めての参加

国際園芸博覧会という制度が始まったのは1960年です。それから60年以上、アメリカは一度も参加していませんでした。横浜が、その最初の一回になります。

公式参加契約が結ばれたのは2026年1月14日。GREEN×EXPO協会の河村正人 事務総長と、アメリカのCommissioner of Sectionを務めるトーマス・E・オースティン連邦議会議事堂建築監が調印し、越川和彦 政府委員(当時)が副署しました。公表は2月6日で、リリースの見出しは「G7初!米国のGREEN×EXPO 2027への参加が決定」。この時点で公式参加契約が公表された国は11か国になりました。

米軍通信施設の跡地に、アメリカが庭をつくる

会場となる旧上瀬谷通信施設は、1950年代から1990年代後半まで運用されていた米国海軍の通信施設で、閉鎖後に日本政府へ返還されました。協会は、歴史的に重要な意味を持つこの場所での博覧会に米国が参加することは、来場者にとって日米両国の永続的な友好関係を改めて示すものになるとしています。

かつて米軍が使っていた土地に、アメリカが在来植物の庭をつくる。この巡り合わせ自体が、アメリカ館の背景にあります。

調印の翌日には現地視察

2026年1月15日、米国植物園(USBG)のスーザン・ペル 事務局長が出展デザインチームとともに会場予定地を訪れ、出展の準備が始まりました。

米国訪問団の会場予定地視察
①ペル米国植物園事務局長の来訪を歓迎する河村事務総長と越川 2027年国際園芸博覧会政府委員/②会場予定地視察を行う米国訪問団|出典:GREEN×EXPO協会 プレスリリース(2026.2.6)
EXHIBITION

展示は「アメリカを旅する」

The Pursuit of Happiness 幸せの追求

アメリカの出展テーマは「The Pursuit of Happiness」。独立宣言に書かれた言葉で、博覧会全体のテーマ「幸せを創る明日の風景」に呼応させたものです。自然が幸福を育むという考えのもと、植物と緑の空間が個人の幸福と社会の幸福の両方を育てる役割を持つことを示す、という位置づけになっています。

USBGの説明によると、展示の要素は次のとおりです。

  • 多様な風景と庭を表すアメリカの在来植物
  • 会議室とオフィスを備えた専用棟
  • 目を引く造形の日除け構造物
  • 没入感のある来場者体験
  • 園芸・植物学の知識を交換するための解説とプログラム

APGAの資料では、来場者は展示を「アメリカの風景と在来植物のなかを行くロードトリップ」として体験する、と説明されています。立ち止まって観るのではなく、通り抜けながら味わう構成で、行列ができないように設計されているとのことです。

ランドスケープの設計は、シアトルの設計事務所GGN(Gustafson Guthrie Nichol)が担当します。シカゴのミレニアムパーク内「ルリー・ガーデン」などを手がけた事務所です。

PLAN

6つの生物地理区をめぐる小径

来場者はまずウェルカムセンターから入ります。ハワイとグアムの熱帯植物が茂る日陰の空間で、このあと何が待っているかを知る場所です。そこから曲がりくねった小径が、アメリカの6つの生物地理区(バイオリージョン)を通り抜けていきます。

アメリカ館の平面図とバイオリージョンの区分
U.S. Exhibit 平面図|出典:アメリカ公共庭園協会(APGA)
生物地理区対応する地域平面図に見える庭
Pacific Tropical Islandsハワイ・グアムウェルカムセンター周辺の熱帯植栽
Western Desert南西部Desert Garden、Blue Garden、Crevice Garden、Mt Fuji Rest Stop
Steppe内陸西部Steppe Garden
Midwest Great Plains中西部Prairie Garden、Meadow Mosaic
Southeastern Temperate
to Subtropical Forest
南東部・大西洋岸中部SE Palm Garden、Carniverous Bog、Rest Stop of the Guardians
Pacific Northwest北西部PNW Woodland Edge、Fruiting bog

平面図で目を引くのが、砂漠エリアに置かれた「Mt Fuji Rest Stop」。アメリカの砂漠の風景のなかに富士山の名を冠した休憩所を置くという、開催地への目配せです。食虫植物の湿地(Carniverous Bog)や、岩の隙間に植えるクレバスガーデンなど、専門性の高い庭も並びます。

道中には眺めのよい見晴らし場所、座れる休憩スペース、体験型の学習要素が置かれ、立ち止まって過ごせるようになっています。アメリカの著名なアーティストによる作品と解説サインも、景観のあちこちに織り込まれます。

旅の終着点はCommunity Gathering and Reflection Space。アメリカの風景の全体を見渡し、それを手入れしている人々や機関とつながる場所です。ここは文化・外交のハブでもあり、日米の専門家が保全、園芸のイノベーション、庭と人の幸福について協働するプログラムが開かれます。

PROGRAM

全米の植物園が交代で立つ

会期6か月のあいだ、アメリカ館では全米の植物園や研究機関が主導する教育プログラムと文化イベントが続きます。柱になるのは次の4つの形式です。

形式内容
Gardens in Residence
(毎週)
毎週ちがう植物園の代表が登場し、園芸・植物科学・保全・ランドスケープデザイン・アートのプログラムを行う
Multi-Day Partner Events
(複数日)
連邦機関や教育・文化機関が組んで、農業・科学・技術・イノベーションにおける植物由来のアメリカの貢献を見せる
Monthly Cultural Events
(毎月)
創作・語り・文化表現を通して、アメリカの植物と来場者をつなぐ
National Day音楽やダンスの公演、実演、ワークショップ、食。夜のイベントで締めくくる特別な一日

このうち、とりわけ特徴的なのがGardens in Residenceという仕組みです。アメリカ各地の植物園が3〜6日ずつ、展示の中に用意された一角を「間借り」して、来場者と直接やりとりするプログラムを行います。2026年6月29日に募集が始まり、9月30日が締切。採否は10月末までに通知されます。

項目内容
スペース幅6フィート(約1.8m)のテーブル、またはワゴン1台ぶん
期間1団体あたり3〜6日/1日あたり5時間以上の実施
内容の例種の見分け方、土の観察、葉のプリント、押し花、送粉者の観察、株分けの実演、香りの体験、専門家との対話
電源確保できるとは限らないため、電気を使わない前提で設計するよう求めている
費用渡航費・宿泊費・食費・材料費はすべて各植物園の負担
現地支援日英バイリンガルの運営会社がサポート

募集要項には、来場者の大半が日本語話者であることをふまえた注意が並びます。近づいて数秒で何をしているか分かること、5〜10分でひと区切りついて次の人を迎えられること、翻訳がなくても伝わる視覚的な設計であること。言葉が通じない前提で、それでも人と人が向き合う——という考え方が、資料全体を貫いています。

募集要項には、会期中の開場時間が9時30分から21時30分までの12時間であることをふまえた注意が並びます。夏の横浜は暑く湿度も高いため、休憩できる場所が必要になる、という記述もありました。運営面の具体像が海外側の資料から見えてくるのは、なかなか珍しいことです。

STRUCTURE

誰がつくっているのか

アメリカの出展は、米国植物園(USBG)が主導し、アメリカ公共庭園協会(APGA)が全面的に協力する体制です。国務省、農務省、在日米国大使館も支援します。

団体内容
米国植物園
(USBG)
1820年に米国議会が設立した、アメリカで最も歴史のある公共庭園。連邦議会議事堂建築監(AOC)の管轄下にあり、年間100万人を超える来訪者を迎える。持続可能な園芸にも取り組む
アメリカ公共庭園協会
(APGA)
公共庭園を通じて植物の保全・教育・鑑賞を国内外で推進する民間団体。80年以上の歴史を持つ

米国出展の代表を務めるのは、ジョージ・グラス駐日米国大使の夫人であるメアリー・グラス 氏。協会の発表によると、園芸および造園デザイン分野の豊富な専門知識と、自然について長い歴史を持つ日本への敬意と深い関心をふまえ、アメリカの園芸・イノベーション・協力を紹介する役割を担います。

運営委員会はUSBGのスーザン・ペル館長と、サンディエゴ植物園のアリ・ノヴィ氏が共同で率い、フランクリンパーク植物園、ロングウッド・ガーデン、APGA、そして国務省の万博担当部署の代表が加わります。その下に、デザイン、植物選定、プログラム、資金調達の4つの専門委員会が置かれ、各委員会の委員長も全米の植物園から出ています。

資金については、USBGが連邦議会の支援に謝意を示す一方、APGAは会員の会費や組織資金をアメリカの出展には使っていないと明記しています。

FUNDING

2億円の政府予算と、6億円の寄付集め

アメリカ政府は展示の建設・維持・運営に200万ドルを拠出することを決めています。ただしAPGAによると、構想を完全に実現するにはさらに600万ドルの民間資金を集める必要があるとのことです。世界水準のデザイン、充実したプログラム、この機会にふさわしい深さの文化交流のためには、政府予算だけでは足りないという説明です。

あわせてAPGAは、会員の会費や組織の資金はアメリカの出展に一切使っていないことを明記しています。財源は政府資金、寄付、スポンサーシップのみ。会員団体への説明として、この線引きをはっきりさせている点が印象的です。

アメリカ館は、政府が枠組みをつくり、全米の植物園と寄付が中身を満たすという構図です。「public horticulture(公共園芸)が世界の舞台に立つ瞬間」というAPGAの言葉が、この体制をよく表しています。

NEXT HOST

4年後、アメリカが開催国になる

アメリカの初参加には、もうひとつの意味があります。2031年のA1クラス国際園芸博覧会は、アメリカのミネソタで開かれる予定です。テーマは「Human / Nature(人と自然が出会う場所)」。

つまりアメリカは、初めて参加する回の4年後に、自国で開催する側にまわります。横浜での出展は、単発の参加ではなく自国開催への助走という位置づけでもあるわけです。全米の植物園が交代で会場に立つGardens in Residenceも、2031年に向けた経験の蓄積という見方ができます。

開催年開催地テーマ会期・想定来場者
2027横浜(日本)Scenery of the Future for Happiness
幸せを創る明日の風景
3/19〜9/26(192日間)
約1,500万人
2029コラート(タイ)Nature and Greenery: Envisioning the Green Future
自然と緑:緑の未来を描く
2029/11/10〜2030/2/28
約400万人
2031ミネソタ(アメリカ)Human / Nature
人と自然が出会う場所
会期未発表
約600万人

横浜はA1クラスであると同時にBIE認定博(いわゆる万博)でもあるという点で、3回のなかでも特別な位置にあります。想定来場者数の1,500万人も、次の2回と比べて大きな数字です。

LOCATION

会場のどこにできる?

アメリカの区画番号と面積は、2026年8月時点では公表されていません。国際出展エリアのどこかになる見込みです。分かりしだいこの記事に追記します。

国際出展エリア|区画は未公表
国際出展エリアの区画図|ドラッグで移動、+−で拡大できます(スマホは2本指)。区画のピンをタップすると面積などが表示されます
EXPO OVERVIEW

GREEN×EXPO 2027 開催概要

正式名称2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)
会期2027年3月19日(金)〜9月26日(日)
会場旧上瀬谷通信施設(横浜市瀬谷区・旭区)
全体テーマScenery of the Future for Happiness(幸せを創る明日の風景)
SUMMARY

アメリカの出展テーマは「The Pursuit of Happiness(幸せの追求)」。在来植物でアメリカの風景をつくり、来場者がそのなかを旅するように歩く構成です。

見どころはGardens in Residence。全米の植物園が3〜6日ずつ交代で会場に立ち、土や種や香りを使って直接やりとりします。日本にいながら、アメリカ各地の植物園の人と話せる機会になります。

展示デザインの公開は2026年夏の予定。区画はまだ公表されていません。続報が出たらこの記事に追記します。

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